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若き富田林亀太郎の青春
【コメディ その他小説】

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若き富田林氏、名士と面会す-1

ん?なんやにいちゃん、寝えへんのか?

ん!なんやなんや、気持ち悪い目で見んといてや!ま、まさかにいちゃん、塀の中によく出るアッチの人ちゃうやろな〜?オレアカンで!

えっ?違う?そ、そうか安心したわ。ホンだらなんや?昨日の話の続きてか?なんやそれ?えっ?オレの苦労の話?

お〜!そやったそやった思い出したわ。そんなにあの話おもろかったんか?えっ?おもろないけど…、退屈しのぎにちょうどええって…

じゃかしわい!しゃーからそんな目で見んなって、気色悪いから!

わかったわかった、え〜っと、オレが失業してパチンコ屋通いしてるところを、ツレの岸和田にラブホテルの清掃員のバイトを誘われたところやったな。

え〜っとあの後何があったんやったっけ?わかったって、わかったからその目止め〜!え〜っと、その後確か岸和田とその足でレイクサイドへ行ったんや………




   …☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…



「おい、亀やん、入口そっちとちゃうで。そこは客の入口や。従業員用はこっちやこっち!」

岸和田に連れられてホテルレイクサイドの前に来たのはええが、余りのセンスの無さに思考回路が停止してしもたがな。

吸い寄せられるように入口から入りかけたところを岸和田の声で正気に戻れた。しかし、なんじゃこの趣味の悪さ…

「 岸和田〜、お前の親戚のオッサン趣味悪すぎるでぇ、なんじゃこの真ピンクの建物は!」

「ええねんええねん、一発やるのに建物の色関係ないねんて」

「しゃーけど、お前は親戚としてこの感性恥ずかしないんかい!」

「ええ趣味してるやんけ!やる気がモッこり湧きたつがな〜!」

「お前ら一族はどっか壊れとるな。人間の大事なところのどっかがな!」

「ほっとけ!」

岸和田は悪態をつきながら建物の裏側にある従業員専用と銘打った扉から中へ入っていった。

オレも後から着いて行くと、そこは事務室で4人の人間が座ってた。ミスターオクレみたいに貧相なオッサン、真面目で気の弱そうなオッサン、唯一まともそうなおばはん、そしてガッチリ体型のスポーツ刈りをしたオッサン。このスポーツ刈りのオッサン凄い迫力やんけ!こいつが社長か?

しかしなんやこの部屋の異様な雰囲気は…



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