夜-3
そんな悶々とした日々が続いたある日、夕也が熱を出したとメールしてきた。
メールの内容は「約束していた紅葉狩りには行けそうにない、すまない」というものだったがそれどころじゃない。
「陽ちゃん陽ちゃん!」
私は陽太を捜しだし、彼に詰め寄る。
「夕ちゃん、熱だしたの?!大丈夫なの?!」
机に両手をついて迫る私の勢いに陽太は仰け反った。
「あ、ああ……結構、高いけど……アイツ昔っから季節の変わり目に熱だす奴でさ……」
「高いの?!」
陽太が大学に居るという事は、彼は今1人だ。
病気の時は心細くなるものだし、心配でたまらない。
「あ〜…成る程……じゃあ、美夜ちゃん看病に行ってくんね?」
陽太が私に鍵を渡す。
「え?」
「俺、バイトもあるし今日帰り遅いんだよね」
嘘だ……陽太のバイトが今日は無い事ぐらい把握してる……だけど……。
「陽ちゃん!ありがと♪」
私は体を乗り出して陽太の頬に口づけ、ダッシュで2人のアパートへ向かう。
背後で陽太と朝陽の言い合いが聞こえたが、気にしない事にした。
音をたてないように玄関を開けて、寝室を覗く。
夕也は大人しくベットで寝ていた。
そっと額に手を当てて熱を計ると、思っていたより高くはなく微熱程度。
これなら、起きた時に何か食べれるかもしれないから何か作っておこう、と思ってベットから離れようとした時。
グイッ
「んにゃあっ?!」
いきなり腕を引っ張られてベットに倒された。
「なんで美夜が居るの?」
犯人は分かりきってるけど夕也。
彼は私をぎゅうっと抱き締めて耳元で囁く。
「夕ちゃん……熱、大丈夫?」
私の返事に夕也は嫌な顔をする。
「答えになってないよ」
ぐりんと視界が変わって、夕也が上から覆い被さる形になる。
熱で潤んだ瞳が私を捉え、そのまま唇が重なった。
「んぅっ?!」
熱い熱いキスは触れただけで蕩けるくらいに情熱的。
夕也は舌をねじ込んで私の口を犯し、焦れったそうにせわしなくワンピースをたくし上げた。