龍の祝福-12
「あ〜、久々に堪能したなぁ……ユウジ君、なかなかやるじゃない」
「そりゃ、どうも」
「フフ、あたしに会えて、得したでしょう? タ・ダ・マ・ン、できてさあ?」
ショウコは切れ長の瞳をさらに細めて、俺を試すように見つめている。
「お前、一体……いや、いい」
「何よ、言いかけといて……あたしなら、大学生よ。夜はお店やってるけどね」
「店?」
「クラブよ、フフ、ユウジ君が来れないような、すっごい高級のね」
「へぇ……まさか、お前が経営してるのか?」
「そうよ。だから昼は色々勉強してるのよ。えらいでしょう?」
「飼われてるだけだろう、お前のご主人とやらに?」
「ひっどいなァ……こう見えて、あたしお金持ちなのよ? 自分で稼いだんだから」
「そうかよ」
「フフ……じゃあ、その証をそのうち見せてあげるわ。”友達”になった証」
「友達?」
「そうよ、カ・ラ・ダ、のね」
「そんなもの、お前が勝手に……うわ、お前まだやる気なのか」
ショウコが俺にのしかかってきた。
俺のものをショウコが握ると、たちまち硬直した。俺も、どうしてしまったのか。
いくらでもできそうな気がした。ショウコはそれを握って微笑んでいる。
ショウコはその上に腰を動かして、ゆっくり腰を下げた。
やがて、リズミカルにその腰が動き出した。その腰の動きに合わせて、ショウコが甘い声を出し始めた。
***
それから数日後、俺の部屋に巨大な荷物が送られてきた。
驚いて見てみると、はたして中身は冷蔵庫である。
開けてみると、薬箱と、こないだショウコに貸したシャツとトランクスが入っていた。
俺は貸したことなど忘れていたが、わざわざ洗濯して返すのは彼女にも女らしい部分があったという事なのか。
そして、そのドアの内側に手紙が貼り付けてある。
『自炊しなさい。暇な時は、あたしが作るに来てあげるからサ。ショウコ。』
短い文面の終わりに、キスマークが付けてある。
荷物の差出人は、ドラゴンブレス店長、となっている。
聞いたことのない店の名前だったが、本当に店長だったのか。
それにしても、ドラゴンブレスね……。
ショウコが街中で乱闘騒ぎを起こした事を思い出した。
俺は、彼女らしい店の名前だと思って、少し笑った。
−続く