隠し撮り、様々-1
「はぁ、はぁ、はぁ、なんとか間に合いそうね、はぁ、はぁ」
さっきの淫らな喘ぎ方と違い、健全な息を弾ませて恵子は小走りで駅へと向かった。初めは自転車で行こうとしたが、さすがに超ミニスカートでは躊躇したのだ。
新司が乗ってくる地下鉄の駅には出入り口が4か所あり、女性特有の方向感覚の無さから、恵子はいつも使う出入り口の位置を、新司に上手く説明ができなかった。そこで待ち合わせ場所は、駅に一ヶ所だけある改札口の前にしていた。
ようやく駅にたどり着き、恵子は一息つくと駅の長い階段を降り始めた。心なしかすれ違う人たちが自分を見るのは、ミニスカートを穿いているからだと認識し、少し気恥ずかしさを覚えつつも、なぜかその視線に女の部分が熱く感じてくるのだった。
「ん?」
恵子は長い階段の途中で、ふと違和感を覚えた。太ももに何かが伝ってくる変な感触がしたのだ。恵子は人目もはばからず股間に手をやると、なぜか中指がクニュリとワレメの中に滑り込んだ。
「えっ!」
有るべきものが無い。ワレメから太ももに伝ったモノをなぞり、目の前に持って来るとクリの花の匂いがした。体の奥に残った忠の精子が、遮る下着も無いまま、恵子の愛液と共に出てきたのだった。
「う、うそ―――――!」
新司との待ち合わせ時間に気を取られ、オマケに小走りだったことも手伝い、自分がノーパンだったことに全く気づかなかったのだ。さっきすれ違った人たちに、しっかりと股間を見られていたことに気づいた恵子は、一瞬で真っ赤になった。
恵子は慌てて肩から下げていたバックで股間を隠して、他に見られて無かったかキョロキョロと辺りを見回した。すると、階段の下にキャップ帽を目深に被り、上着を不自然に腕に掛けた見慣れた男が、ニヤニヤしながらこちらを見上げていることに気がついた。
「えっ?お父さん?」
恵子はワケがわからなかった。よく見ると、忠の腕に掛けられた上着の下からレンズが覗いているのが見える。
「やだ!ビデオで撮ってたの?」
恵子は自分が素の状態で醜態をさらしていたことを忠に見られていたばかりか、それをビデオに撮られていたことで、今までに無いほどの恥ずかしさを覚えた。淫乱な恵子にとって『恥ずかしい=興奮する』の定理が成立するため、股間に愛液が一気に溢れてきた。
(ああん、どうしよう…)
このまま歩くと振動で愛液がどんどん太ももを伝ってくる。まさか、階段の途中で股間を拭くワケにもいかない。恵子は困ってしまい忠を手招きした。忠の体の影に隠れて股間を拭こうと思ったのだ。
しかし、忠はニヤニヤしながら首を横に振った。焦った恵子がもう一度強く手招きすると、忠はジェスチャーで股間を隠したバックをどけろと伝えた。
(あああん、イジワル〜)
そう思えば思うほど愛液が伝うのがわかる。恵子は階下に人の姿が無くなる瞬間を見計らって、バックを股間から離して、もう一度忠に手招きをした。
しかし忠はもう一度首を横に振り、昨日美弥子が階段でしゃがんだみたいに腰を落とすと、指でVサインを作りそれを下に向けて目一杯広げた。
(いや〜ん、こんなところで〜)
淫乱な恵子はそのサインが何を意味するのか直ぐに理解し、さらに下半身が熱くなってきた。
(あああん、恥ずかしい)
恵子はそう思いながらも腰を落とし、和式トイレで放尿をするポーズをとると、Vサインを作った指を股間に当ててワレメをグイっと開いた。恵子はその瞬間にゾクゾクした快感を覚えた。恵子が露出の歓びを知った瞬間だった。