女王様の命令は絶対です <前編>-1
「夏樹姉ちゃん…………」
「んっ…… 駄目っ…… まだ勉強が残って………… あっ……」
「こっちの勉強も………… もう少し進めたいな……」
「あっ…… こらっ………… んんっ……」
隆と付き合い始めてはや二週間。
映画を見たり一緒に買い物に行ったりと、それなりに恋人気分は満喫しているものの、
意外にもあっちの方は思いのほか進展していない。
「んっ…… 駄目っ………… やっ…… それ以上は…………」
「…………どうして? 俺もう我慢出来ないよ…………」
唇から胸元へ、隆の熱い愛撫に身体が火照る。
太い腕に抱きしめられ、大きな手のひらで優しく体を撫でまわされるたび、
いつも私の身体はわかりやすいくらいに敏感な反応を見せるくせに、
いざ隆の指が下着にかかろうとするや、
思わず反射的に抵抗の言葉が出てしまうのだ。
「ご、ごめんっ…… その…………」
「…………いや ……うん、いいよ気にしないで?」
そう言って隆はいつも私のわがままを聞いて手を止めてくれるけど、
それがいかに生殺しであるかぐらい、女の私にでも充分わかる。
「違うのっ イヤとかじゃなくてね? その……」
「ん、大丈夫だよ? そんな気にしなくても………… ね?」
触られてもいないのに、溢れるほどに濡れた下着がむず痒い。
イヤなわけでも無ければ、むしろ求めて止まないのは私の方かもしれないくらい、
すっかり身体の準備は整っているはずなのに、
もどかしいほどに心と体が一致しない…………
「いつもごめんね? 隆の…… こんなになってるのに…………」
今にもはち切れそうなくらいに膨れ上がっている隆の股間を、
そっと右手で優しく撫でる私。
気持ち良さそうな、それでいて苦しそうにも見える隆の顔に、
私の身体もまたいっそう火照り上がるのがわかる。
「んっ…… そ、そう思うなら触っちゃ駄目だって…………」
ファスナーを降ろし、トランクス越しに握りしめては軽く扱くと、
先端からネバネバとした密が溢れては、いっそう硬さを増していく。
「ね、姉ちゃんっ…… もっとゆっくり………… んっ……」
膝に置いた手を握りしめながら、唇を噛みしめ、
気持ち良さにどこか堪え忍んでいるような隆。
私はトランクスの隙間から、そっとそれを取り出すと、
躊躇う事無くゆっくりとそれを口にふくんでいった。