ピロートーク-1
「あー疲れた」
広瀬は倒れ込むようにベッドに飛び込んだ。
あたしも彼の横にそっと身体を横たえる。
「お疲れ様」
「マジでお疲れだよ、お前見た目より重いし」
そう悪態を吐きながらあたしの頭の下に腕を差し入れた。
「ヒドい!」
「もう二度と駅弁はやんねえ」
広瀬の言葉にあたしはムカついて、背中をぷいと向けた。
「怒んなって」
広瀬はクスクス笑いながら裸のあたしの胸を優しく包んだ。
「広瀬はデリカシーなさすぎ」
「あれ、嫌われた?」
広瀬がにやけた顔であたしの頬にキスをする。
……この確信犯が。
あたしは再び広瀬と向き合って、奴の顔を睨んだ。
「あたしが心底あんたに惚れてるって知ってるからそんなこと言えるんでしょ」
「んなことねえよ、不安だって言ったじゃんか……でも」
「でも?」
そう言って今度はあたしの脚の間に手を伸ばした。
そしてすっかり綺麗に剃り上げられた跡をツツ、となぞる。
その優しい刺激に、あたしはビクッと身体をよじった。
「お前が俺の名前呼びながら一人でシてるの見たときは、マジ嬉しかった。
ホントに俺のこと想ってくれてるんだろうなって」
蒸し返すことを言われ、また恥ずかしくなり顔を背けるけれど、広瀬は今度は真剣な顔をこちらに向けた。
「お前の想像の中の俺と違って、下手くそかもしれないけど、出来るだけお前の望むことはなんでもできるように頑張るから」
「広瀬……」
「もちろん、セックスだけじゃねえよ。
もっといろんなとこ遊びに行ったり、たまには旅行してみたり、思いつくことがあったらどんどんしていこうな」
自分で言って気恥ずかしくなったのか、彼は頬をポリッと掻いてあたしから目を逸らした。
その照れた顔が可愛すぎてあたしは跳ねるように抱きついてキスをした。
「これからもずっと一緒にいようね」
「ああ」
そして、あたしは彼の下半身にそっと手を伸ばす。
「羽衣……」
彼はあたしに優しいキスをしてから耳元でこう囁いた。
「3発目はさすがにキツい」
〜終〜