妄想とリアル-4
「やあああっ!!! ダメッ、足に力が入んな……」
倒れ込みそうになるあたしを、すかさず彼はしっかり抱き留めてくれた。
そして今まで拘束していたあたしの両手を解放すると、シャワーで濡れたネクタイを丸め込むと一気に口に押し込む。
「んぐっ……」
「さっきからお前の喘ぎ声、俺のこと煽りすぎ。ちょっと我慢しろ」
そう言って今度はあたしの太ももを抱え込み、いわゆる駅弁の形を取った。
「んんっ……」
シャワーに濡れながらあたしは彼の身体に必死にしがみつく。
「羽衣……、俺お前のこと気持ちよくさせてあげられてる?」
激しい腰使いに目の前に火花が舞う。
もはや答える余裕なんてなくて、あたしはひたすら首を縦に振るしかなかった。
「俺、お前しか女は知らないから、付き合っててもずっと不安だったんだ……。
前の男と比べられて、そっちの方がいいんじゃねえかって考えたらすげぇ怖くて……」
快感を貪っていたあたしは、広瀬を見るとイくのを我慢しながらもどことなく切なそうに見える。
あたしは口の中からネクタイを吐き出すと、広瀬の首にしっかり腕をまわしながら答えた。
「あた……しっ、んんっ! 広瀬じゃなきゃこんなに気持ちよくなれな……ああっ……!
あんっ……あた……し、広瀬が本当……に好き……なの! 愛してるのお……」
さっきからGスポットにあたる感覚に気を失いそうになるけれど、こんな時だからか照れもせずに想いを伝えられる。
広瀬はそんなあたしの唇を塞いでから、
「俺も……愛してる……!」
と耳元で囁いた。
あとは言葉なんていらない。
二人激しく求め合って臨界点を越える頃、
「やあああっ! ヤダッ……! イっちゃう、イ……クぅぅっ!!」
と、広瀬の腕の中であたしは背中をのけぞられて達してしまった。
そしてそのすぐあとで、広瀬はあたしの身体をバスタブに下ろすと、
「ダメだっ、俺ももう……出る!」
叫んだ。
咄嗟にあたしは広瀬のペニスをくわえ込む。
あたしの淫らな愛液に混ざって、広瀬の熱いモノがあたしの口の中に注がれた。
苦味と、しょっぱさが混ざるそれをコクリと飲み込む。
好きだからこそ、ここまでできるんだよ。
あたしは言葉で伝える代わりに身を持ってレクチャーした。