好き過ぎるからこそ-1
「あっ……! 広瀬っ、んあっ!」
あたしは一人、広瀬の部屋ではしたない声をあげていた。
あたしと広瀬が友達から恋人に変わって早1ヶ月。
暇さえあればあたし達はこの部屋でヤりまくっていた。
当然と言えば当然。
盛りのついた男女。時間ばかりが膨大に有り余る大学生。
この2つが揃えばヤることと言えば一つしかない。
あたしはいつものごとく大好きな男の前で乱れに乱れる。
あたしの彼氏、広瀬輔康はついこないだまで童貞で、正直テクニックはまだまだだった。
でも、セックスというものは気持ちが大きく影響するもので、本当に好きな人とシていればすごく幸せな気持ちになれる。
でもその一方で、何度も広瀬とセックスをしているうちに、あたしは自分の知らない一面に気づき始めていた。
それは、あたしがドMだということ。
先天性のものなのか、後天性のものなのかはわからないけど、広瀬と身体を重ねる度に、より激しく攻めてほしい、辱めて欲しいという気持ちが徐々に芽生えてきたのだ。
今まで付き合ってきた男には、そんな気持ちなんてまったくなかったのに。
その一方で、広瀬のエッチはとても優しかった。
壊れ物を扱うように、大事に大事に抱いてくれる彼。
それはそれで幸せなんだけど、ちょっぴり物足りなく感じる時もある。
広瀬になら、もっと恥ずかしいことされたいのに。
でも、そんなことが言えるはずもないあたしは、こうして自己処理をするしかない。
そういうわけで、あたしはただいまバイト真っ最中の広瀬を部屋で待ちながら自慰行為に耽っていた。
普段あれだけヤりまくっているくせに、さらにオナるなんて、異常かもしれない。
でも、広瀬を想うと手が自然にショーツの中に伸びてしまうのだ。
自分のペースでクリトリスを優しく撫でる。
「ああっ……、気持ちいい……」
頭の中では、広瀬とのセックスを思い出しながら。
愛液でトロトロになったあたしの秘所に、右手の中指をどんどん埋めていき、左手はささやかな胸を少し荒々しく揉みしだく。
「あ……広瀬、もっと激しく……」
脳内では激しく広瀬に犯される所を思い浮かべる。
時には人気のない公園で、はたまた思い出がたくさんの放課後の高校で。
もっともっと、あたしに恥ずかしいことして。
そんなことを思いながらあたしはオナニーに夢中になりすぎて、いつの間にか広瀬が帰ってきていたことに気付かなかった。