名も無き王のささやかな企み-1
「んっ…… やっ、そんなトコ舐めちゃ…………」
「ほら…… 早くしなきゃ誰かきちゃうよ?」
週末、約束通り私たちは毎年行われる河川敷のお祭りへとやってきた。
林檎飴を買ってもらい、射的や金魚すくいなんかもして、
時間を忘れて堪能していたのはほんの数時間前まで。
締めの花火を見ようと地元民だけが知る小高い丘へと登ったのはいいけれど、
待ち時間の間つい盛り上がってしまっては隆の口車に乗り、
流されるがままにまた『王様じゃんけん』をしてしまったわけで……
「こ、今度勝ったら………… んっ…… パンツ見るんだって意気込んでたクセに…………」
「あはは、そう思ってたんだけどさ………… その前の負けを先に取り返そうかと思ってね?」
そう言いながら隆は私の首筋にそっとキスをすると、
大きな手の平で浴衣の上から私の身体をなぞっていく。
「んんっ…… その前の負けって………… あっ……」
「憶えてるクセに………… 俺がオナニーしてるトコ………… 見ただろ?」
「はぁっ…… だ、だってアレは…………」
「俺だって当然………… 夏樹姉ちゃんがしてるトコ見たいよ…………」
ゆっくりと浴衣の裾をはだけながら私の太股へと手を伸ばす隆。
ビクビクと揺れる私の身体をしっかり支えながら、
限界まで足を拡げさせたかと思うと、
そっと私の右手を取ってはゆっくりとそれを股間に当てがわさせた。
「…………右手でいい?」
「そ、そんなの知らないっ」
「嘘? 夏樹姉ちゃんだって………… してるって教えてくれたじゃん?」
「んっ…… そうだけどっ やぁっ…… 耳っ んんっ…… 駄目っ…………」
耳たぶを甘噛みしながら低い声で私に囁きかける隆。
いつになく意地悪なのは、あの日以来今日まで、
ずっと私が焦らし続けたからかもしれない。
「夏樹姉ちゃん…… ほら早く…………」
「んっ…… だって…………」
股間に当てがわされた私の右手。
触らずともわかるくらいすでにそこは熱く湿っている。
「ぜ、絶対に…… 見るだけだからね?」
「わかってるよ……」
「さ、触ったりしたら…… 駄目なんだから…………」
「でも…… 胸くらいはいいでしょ?」
「えっ…… こ、こらっ! んっ…… い、いつの間に…………」
浴衣の裾から胸元へとそっと右手を滑り込ませる隆。
持ち上げるようにゆっくりと揉みしだいては、
指先で固く尖った先端を責めはじめた。
「やっ…… 駄目っ…………」
「浴衣だからノーブラなんだ? やらしーね……」
「んっ…… そんな事っ………… あっ……」
「夏樹姉ちゃんの胸………… やらかくて気持ちいい…………」
はだけた浴衣の隙間から、固く尖ったピンクの先端が見える。
その先端を太くて無骨な隆の指が摘むと、
無意識に背中を仰け反らしては息が荒れる私。
「やぁっ………… 激しすぎっ…… んっ……」
「でも、感じてくれてるね…………」
「だって………… あっ……」
「嬉しいよ…… 夏樹姉ちゃん……」
隆の言葉に、その指の動きに、ビクビクと私の身体が反応している。
私は右手の中指を折り曲げ、こっそり上下に移動させると、
思っていた以上に濡れた染みがジワリと一面に拡がっていくのがわかった。