昼-6
「……そこは、普通『お友達から』ってなる所じゃないかしら?」
「お友達はセックス出来ねぇじゃねぇかよ」
咄嗟に口を出た言葉に朝陽が呆れた顔をする……しまった、マズったか?
「プッ……アハハハハハッ」
うう……笑われた。
「信じらんない……くくっ……やっぱアンタって最低……」
朝陽はカエルを抱いたまま肩を震わせて笑い続ける。
「だってよ……やっぱ抱きてぇもん」
出来れば1対1で朝陽を愛したい。
「正直なのね……ふふ……いいわ、お試し期間1ヶ月ね」
「………………へ?」
聞き間違いか?
「その代わり、他の女に色目使ったら即おしまいよ。さっきも言ったけど嫉妬深いんだから」
「……いいのか?」
思わず確認してしまう……だって、信じられない。
「私は私を好きな人が好き、正直で真っ直ぐな人が好き……今なら陽太を選ぶわ」
こんなに弱気で格好悪ぃ口説きなのに朝陽にはそれが良かったらしい。
「凄ぇ嬉しい……キスしてぇ」
俺の言葉に朝陽が再び大笑いする。
俺に負けないぐらい良く笑う女だ……朝陽の知らないトコひとつ見っけ。
「アハハ、いいわ……来て」
朝陽はカエルを抱いたまま俺に左手を差し出した。
俺はちゃぶ台を乗り越えてその手を取り、手の甲にキスを落とす。
「お姫様みたい」
「じゃあ、それがカエルの王子様か?」
「そう、アンタはお姫様をたぶらかす悪魔ね」
朝陽の言葉につい笑ってしまう。
俺は手の平にもキスして左手で朝陽の頬を包んだ。
絡まる視線……ああ……凄い綺麗だ。
視線を彼女の唇に落として躊躇いがちに近づく。
重なった唇は柔らかくて甘くて……俺は角度を変えて何度もそれを味わった。
「んっ……」
唇から漏れる声に堪らなくなって朝陽をベットに押し倒す。
「うっ、王子様に阻まれた」
俺と朝陽の間に居るカエルの王子様が両手を俺に突っ張っていた。