昼-4
「はい」
薄くドアを開いた朝陽は俺を確認した後、一度ドアを閉めてチェーンを外し再びドアを開ける。
朝陽が見えた瞬間、俺は勢い良く腰を90度曲げて頭を下げた。
「ごめん!!」
「は?」
朝陽が間抜けな声で聞き返す。
「今更なのは分かってる!でも、朝陽を傷付けるつもりは無かった!だけど、実際に傷付けてしまったから俺に出来る償いは何でもしようと思ってる!それで許してもらおうとは思ってないけど……」
「ちょっ……ストーップ!!」
機関銃のような俺の謝罪の言葉を、朝陽は大声で止めた。
とりあえず黙った俺だったが、頭を上げる事が出来ない。
朝陽がどんな顔をしているか怖かったのだ。
「えっと……とにかく、中に入って」
うっ……女性の部屋に入るなんてそんな……。
「早く!」
「はいっ!」
ぐずぐずしてたら朝陽に一喝されて、慌てて荷物を抱えて部屋に駆け込む。
朝陽の部屋は女っ気の無いシンプルな部屋。
ただ、ベットに置かれたドデカいカエルのぬいぐるみが異彩を放っていた。
「椅子とか無いから床で勘弁して」
朝陽はそう言って俺の横をすり抜けてベットに座る。
シャワーを浴びたのか彼女の髪は湿っていて、良い匂いがした。
更に、短パンにキャミソール(多分、ブラトップとかいうヤツ)姿で、彼女の綺麗な脚が剥き出し。
うぅ……息子が暴れ出しそうなんですけど。
「……で?何を謝ってるの?」
朝陽はカエルを抱いて俺に問いかける。
俺はというとちゃぶ台を挟んで床に正座し、膝の上に置いた手を見つめる……という、正に反省の姿勢。
「……その……この間の……お前にやった事なんだけど」
「緊縛プレイ?」
ブハッ
思わず吹き出す俺。
「ごほん……いや、まあ……そうなんだけど……その……無理矢理すぎたっつうか……レイプみたいだったなって……思って……ホント……ごめん」
そこまで言って俺は再び頭を深々と下げる。
しかし、朝陽は何も言わない……カチカチと時計の音が部屋中に響いた。
「……あのさ、あれは途中から私も同意してたし……レイプとは違うんじゃないかしら?」
やっと口を開いた朝陽はそう答える。