メール-1
『送ろうか?』
憧れの先輩から
言われたのに
出た言葉は
『大丈夫です』
いつだって
素直になれなくて
可愛げのない僕だけど
あの日の雨上がり
まだ明るい帰路
逆方向の貴方に送って貰うのは何だか申し訳なかったんだ
だけどやっぱり
気になって
僕は先輩にメールを送った
返ってくるなんて
淡い期待は
持たずにいたけど
数時間後のメール着信
ドキドキしながらメールを開いた
『律儀だね』
たったひとこと
それだけなのにね
なぜ彼からのメールは
ねえ、こんなにも
僕の胸
躍らせるんだ