必然-1
驚きのあまりにエデンは言葉を発することが出来ずにいた。
「これは偶然なのか・・・?」
「・・・・・・」
マダラはゆっくりと腰をあげ扉の前に立った。珍しく先を急ぐ足取りだ。
「人界の王の名は・・・葵だ」
ティーダとマダラは目を見開いた。
もはや偶然という言葉は存在せず・・・すべては必然かのように運命はまわっている。
「・・・くそがっ!!」
壁に向かい拳を食らわせたティーダが震えている・・・。
「・・・なぜティーダが苛立ちを感じる必要があるのだ」
不思議そうなエデンはマダラに問う。
「・・・キュリオ殿もエクシス殿も同様だ・・・」
「・・・・・・」
「恋わずらいか・・・?
惚れる気持ちはわからんでもない。
だが・・・やめておけ」
「決して結ばれること叶わぬ相手だぞ」
「・・・っ」
ティーダは強く拳を握っている。
どうにもならない想いが彼を苦しめていた・・・
「・・・葵の身に何が起きたか知りたいと言ったな」
「我ら五大国の王と・・・人界の王が同じだという考えは捨てたほうがいい」
「王のいない向こうの世界は・・・確実に破滅の道を歩んでいるのだ」
「それを踏まえて・・・人界の王の話をしてやろう」
三人の王はそれぞれの思惑を胸に、悠久へ向かい歩みをすすめた・・・。