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「ごめん、修平、あたし初めてなんだ。」夏輝は窓とカーテンを閉めながら言った。
「お、俺も・・・・。」
「え?そうなの?高三なのに、奥手だね。」
「し、しょうがないだろ。」修平は畳の上に正座をして身を固くしていた。
押し入れから一組の布団を抱え出して夏輝は言った。「ほら、どいて、布団敷くのに邪魔だよ。」
「え?あ、うん。」修平は後ずさって部屋の隅に縮こまった。
「ど、どうしたらいいのか、わかるよね、修平。」
「え?」
「エッチの仕方だよ。」
「お、俺もよく・・・・・。」
「二人とも初めてだからね。仕方ないか。手探りでやってみよ。」
「う、うん。」
夏輝は天井の蛍光灯を消した。カーテン越しに夏の光が漏れ、完全には暗くならなかった。
「あんまり暗くないから、ちょっと恥ずかしいね。」
「そ、そうだな・・・。」
夏輝はTシャツの裾を持ってゆっくりと脱ぎ始めた。
「ご、ごめん!」修平は慌てて後ろを向いた。
「修平も脱ぎなよ。そのままじゃエッチできないじゃん。」
「あ、ああ。」
修平は目の前の壁を見ながら服を脱いだ。背後で夏輝の衣擦れの音を聞きながら、修平の鼓動はどんどん速くなっていった。
修平は全裸になった。しかしまだ部屋の隅を見つめて赤くなったままだった。
「来てよ、修平。こっちに。」夏輝の声がした。修平はゆっくりと振り向いた。
夏輝は薄いタオルケットを首までかぶっていた。そしてしおらしく照れ笑いをしながら同じように赤面していた。
「夏輝・・・・。」
ポニーテールをほどいた夏輝は、いつもの弾けた夏輝とは違って、ひどく大人びて見えた。
「いいよ、修平、覚悟はできてる。」
修平は自分の股間をしっかりと押さえながら、ゆっくりと少しだけケットをめくり、自分の身体を夏輝の隣に横たえた。
「あ、暑いよね。」夏輝は手を伸ばして枕元の扇風機のスイッチを押した。ブーンというモーターの音がやけに大きく聞こえた。
「あたしの裸、見てよ。」夏輝が小さく言った。
修平は恐る恐る夏輝の身体を覆っていたケットをめくった。夏輝の腕と脚は日焼けしていたが、手で隠されている乳房から腹、そしてやっぱりもう片方の手で隠された秘部と腰のあたりは白かった。
夏輝は修平から目をそらしたまま言った。「こないだうちの学校であった陸上の大会に駆り出されてたからね。手足だけ日焼けしたんだ。それと顔も。」
「知ってる。俺、見てた。」
「え?」
「お、おまえがさ、グランド走ってるの、俺、見てた。」
「なんで?気にしてたの?あたしを。」
「え、いや・・・・。」
「そうか、あのユニフォームだね。」
「うちの学校の女子陸上部のユニフォームって、刺激的すぎだ。俺たちオトコにはな。」
「へそ出しトップスにレーシングショーツだからね。セミビキニの。」
「悩殺ユニフォームだよな。」
「ほかのコの姿見ても、興奮してた?」
「少しはな。」
「オトコってスケベだよね。」
「当たり前だ。」
「で、どう?あたしの裸。」
「お、俺のあそこ、も、もうはち切れそうになってる。」
「そ、そうなの?」夏輝は少し怯えたように言った。「そんなのが、あたしに入ってくるの?」
「怖いか?」
「怖い。だって、初めてだし・・・・。」
「そ、そうだよな、やっぱり・・・・。」
「でも、修平、こらえきれないんでしょ?」
「・・・・・・。」
「いいよ、入れてみてよ。大丈夫。あたし我慢する。」
「が、我慢してまでエッチしなくても・・・・。」
「いや。する。だって、あたし修平の恋人なんだから。」夏輝は自分に言い聞かせるように言って、目を閉じた。「お願い、入れてみて。」
修平は夏輝の手を取り、秘部から離させた。「あ・・・」夏輝は小さく叫び、身体を震わせた。
修平は彼女の両脚を少しずつ開かせた。夏輝の身体は固くなっていて、脚を少し開いたところで、すぐに閉じようとする力が働くのを修平は感じていた。しかし、彼の興奮はもう、後に引けない程に高まっていた。
ようやく夏輝の脚を開かせた修平は、自分の身体を彼女の脚の間に入れ、最高に大きくなったペニスを夏輝の股間にあてがった。
「あ、だ、だめ!」硬くて温かいものを秘部に押し付けられた夏輝は両手で顔を覆い、身体をよじらせた。修平は夏輝の両脇の布団に手をつき、歯を食いしばって夏輝の中に自分自身を入り込ませようと何度も押し付けた。その度に夏輝は身を固くして短い言葉を繰り返した。「い、いやっ。」
間もなく修平の興奮が最高潮になった。「ぐっ!」彼は低く呻いた。びゅるるるっ!びゅるっ!びゅくっ!
生温かいものが、夏輝の脚の付け根あたりにまつわりつき始めた。「あ、いや・・・」また夏輝は小さく叫んだ。
びゅるっ、びゅくっ、びゅくびゅくっ、びゅく・・・・びゅく・・・・・・びゅくびゅく・・・・・・・びくん・・・・・・。
修平は腕を突っ張ったまま、大きく息をしながら射精の脈動が収まるのを待った。やがてうっすらと目を開けた修平は、夏輝の首筋にたくさんの汗の粒が光っているのを見た。それは宝石のように輝いていた。夏輝の手は布団をぎゅっと握りしめ、その身体はわずかに震えていた。