放尿を咎める青年-1
(ティッシュ、ティッシュ・・・)
僅かに尻を振って残る滴を落とし、脇に置いた鞄に手を伸ばそうと顔を上げた時だった。
「え・・・っ?」
数メートル先にある、正面の木陰にいた人物と目が合った。
「ひっ!」
里菜は慌てて立ち上がったが、覗いていた人物も木陰から出てくる。地元の青年だろうか、里菜と変わらないくらいの年齢だがどこか垢抜けない男。野暮ったい感じはするのに肉体労働者らしい逞しさは醸し出している。里菜は膝まで下ろしていたジーンズに足が絡んで尻を木漏れ日に晒したままよろける。
「やっ・・・やっ・・・来ないで、見ないでぇ・・・」
少し濡れたジーンズが素直に上がってこないうちに、青年はずしずしと無遠慮に近付いてくる。
「来ないでって、俺んちの土地で余所者に指図される覚えはないな」
「えっ?きゃっ・・・」
中腰でジーンズを押さえていた里菜は、軽く小突かれただけでいとも容易く地面に転がる。
「不法侵入しておいて堂々と小便垂れ流すとは、ホント街の奴は・・・」
青年はそう言いながらも眼下で藻掻いている里菜の股間を凝視している。まだ上げられていないジーンズの股間には黒々とした陰毛が覗いたままだ。
「ご、ごめんなさい。ごめんなさい。謝ります。謝りますから、見ないで・・・」
里菜は隠すのが先か、立ち上がるのが先か、パニックに陥ってしまい、ただ地面に転がってジタバタするだけだった。青年が手を伸ばす。
「あ・・・え・・・?」
手を貸してくれるのかと里菜も手を出したが、青年の手はジーンズの裾をがっしり掴んだ。
「やぁぁ・・・っ」
里菜は半ば逆さ吊りにされながらジーンズを抜き取られ、小さな布切れだけが心許なく膝のところに残る。
「人んちで、オマンコ広げて、小便してさぁ。謝らなくていいから、ちゃんと見せろよ」
「いやっ、いやっ、見ないでぇ・・・く、栗を・・・栗を拾いに来ただけなのっ」
青年は、里菜の開いたり閉じたりする股間から鋭い視線を外すこと無く、頬を緩める。
「くり・・・栗、ねぇ・・・」
「そうっ、栗拾いに来たんですっ・・・にゅ、入場料もちゃんと払いましたっ」