投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

王様じゃんけん
【幼馴染 官能小説】

王様じゃんけんの最初へ 王様じゃんけん 17 王様じゃんけん 19 王様じゃんけんの最後へ

伏兵は女王様 <前編>-4

「その………… 少し整理していいかしら?」

とりあえず隆の部屋へと戻った私たち。
ベッドに腰を落とす私の膝には、
すっかり懐いた様子のユイが横たわっている。

「ゆ、ユイちゃんはレズっ子………… つまりそれは…… 女の子が好きって事だよね?」
「はい♪」

私のお腹に顔を擦り寄せながら元気よく返事をするユイ。
隆は目のやり場に困っているのか、
落ち着かない様子で窓の外を眺めている。

「それって…… 男の子に興味なんて無いって事かな?」
「ええ、その通りです」

あっけらかんと答えるユイとは対照的にどこか腑に落ちない私。

だって、いきなり『私はレズです』なんて言われて、
簡単に信じられるほど私の頭は柔らかくない。
もちろん個人の性癖に口を出したり、
ましてや差別するつもりなど微塵も無いのだけれど、
そもそもが私の友人にそういった人がいないから、どうにも真実味に欠けてしまうのだ。

「で、でも、だからって…… その…… 下着を見せても平気って言うのは…………」

言葉に詰まりながらそんな疑問をなげかける私を、澄んだ瞳でで見つめ返すユイ。
むくりと体を起こし、私の横へとちょこんと座り直すと、
首を振り満面の笑みを浮かべながらこう答えた。

「誰でもじゃない…… 隆は、隆だけは特別なのです」

その言葉に驚きを隠せない様子の私を見て、
今まで敢えて会話に入ろうとしなかった隆が慌てて口を挟んだ。

「ま、待てっ! ユイ! だからお前は言葉が足りな過ぎるんだって!!!」
「どうして? ユイ、嘘は言わない」
「いやっ だから嘘とかじゃなくてっ!」
「隆は特別、その隆が見たいならパンツ見せるくらい全然平気」
「だーかーらっ!!! はぁ…… ホントにもうっ…………」

あたふたしながらユイに詰め寄るも、あっさり交わされては意気消沈する隆。
私はと言うとひとり呆然としたままで、
いっそう混乱する頭を抱えながら得も知れぬ気持ちに苛まれていた。

(特別って言う事はやっぱり…… そういう関係って事だよね?)

言葉に出来ない気持ちが私の心を揺らす。

幼なじみにして弟のような存在だから深く考えた事も無かったけれど、
勉強もそこそこに、優しいしスポーツも出来るし見栄えだって悪く無い隆。

考えてみればこの隆に彼女がいないほうが不思議なくらいだ。


王様じゃんけんの最初へ 王様じゃんけん 17 王様じゃんけん 19 王様じゃんけんの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前