エスカレートする嫌がらせ-2
「あのー、わたしにそれを言われてもですね……とりあえず本人に直接言ってもらえませんかねえ……」
「もういい! とにかく言うだけのことは言ったから、あとはそっちで勝手にして! さあ、マリアちゃん、帰りましょう」
ウシガエルは大きな体を縮めて、わたしに申し訳なさそうにペコペコと頭を下げた。ボロアパートの廊下が抜けてしまうのではないかと思うほどの足音をたてながら、九官鳥はドスドスと帰って行った。ヨネコさんもたいがいおかしいが、やっぱりそのまわりにいる彼女たちもかなりおかしいな、と改めて実感した。
寝る前に、そういえばウシガエルがマリアちゃんて呼ばれてたな、と、くだらないことがツボにハマってゲラゲラとひとりで笑った。