別れの結末-4
付き合い始めて、デートをして、彼と体を重ねる。
壊れものに触れるみたいに彼が私の体を撫でる。
優しく、ゆっくりと私の体に跡をつけていく。
決して激しい物じゃないけど、私は彼の大きな手に感じてそこを濡らしてゆく。彼の全てに私自身が欲情して、もっと、もっとって彼を求める。
双方の丘を撫でられ、ゆっくりと丘の中心が口に含まれる。そのたびに痺れる感覚に襲われ、私は彼の下でただ喘いだ。そんな私を満足そうに見ながら、彼が甘い言葉をささやく。
我慢できなくて欲しいとねだる私。だけど彼はすぐにはくれない。いつもじらされて、彼のモノを受け入れるときにはこれ以上にないくらいそこは濡れている。
彼のものがゆっくりと私の中に入り込むと、もう止まらない。彼を見上げながら、私は自らも腰を動かして彼をそこに導いた。
いつもは見せない彼の興奮した顔。彼のもので満たされるのを感じながら、私はいつだって彼を受け止めていた。
幸せに包まれているはずなのに、彼は次第に醒めていった。
いつの間にかメールも会う回数も減った。
どんなにメールをしても彼からの返事はなかった。
付き合えてうれしいはずなのに……。
彼女になれたのに……。
彼との間に距離ができた。
そうして気がついた時には私たちは別れの道を歩いた。
だからこうなることは分かっていたのだ。
心のどこかでは期待していた。
彼との距離は縮められる。彼と話をすればまだ修復できる。
だけど、彼の口から出たのはやはり別れの言葉。
矛盾だらけの私の心が壊れていく。
その結果を知りながら、ほんの少しでも期待した自分が惨めに思えた。
受け入れられなかった。
彼がいなくなることに耐えられなかった。
だって好きだったんですもの。
こんなにも……こんなにも彼の事を愛して……彼の側にいたのに。
涙が止まらない。
両手にはまだ彼のぬくもりが残っている。
そんな私を見て刑事が言った。
『だからって人を殺していい理由にはならないんですよ』