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倖せのエッセンス
【熟女/人妻 官能小説】

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平凡な暮らしの中で-4

 大学の頃は、マイの体をさんざん貪った。
 マイは男の性欲とはこういうものなのだと割りきって、仕方なしに俺に付き合っていたという気がする。
 その当時は、あまり反応も示さなかった。
 あるいは、俺の為に感じている芝居をしていたのかもしれない。

 結婚してしばらく経ち、立場が少しづつ逆転しつつあるように思う。
 30歳を過ぎた頃から、俺は自分の体が20代とは違うものになってきている事を自覚せざるを得なくなった。食事の量を増やした訳でもないのに、体重が増えるようになった。
 体重計など、乗るのは年に一度ある会社の健康診断の時くらいである。
 その健康診断の時に、10キロ体重が増えていた。思わず、ギョッとした。
 
 マイやユウコからも、そして同僚からも、一回り大きくなったと言われてはいた。
 俺は勘違いだろうと鼻で笑っていたが、実際太っていた。
 衝撃を受けた俺は早速ダイエットにとりかかり、体重は減らしたものの、これが年をとるという事なんだなとよくよく考えさせられた。食べても太らない、などと言うのは、嘘だ。
 
 セックスの回数も明らかに減った。
 マイは以前と何ら変わらない。それでも、そうなってしまうのは自然の摂理なんだろう。
 だが、皮肉にもマイは年を経るほど以前より感度が高まっていった。
 以前の仕方なしにセックスに応じるという感じではなく、嬉々として受け入れるようになった。ほとんど正常位以外は嫌がっていたのに、他の体位を試すようになった。
 達した時の反応も、激しいものになった。
 女は30歳を過ぎてからも性欲は上り調子らしいと、何かの雑誌で読んだ。
 マイは、まだ28である。これから彼女を満足させ続けられるのか、少々不安になった。
 もちろん、俺だってまだまだだと思ってはいるが。

「カズちゃん、ご飯出来たよ〜!」

 皿を運んでくるマイの横顔。肌ツヤは瑞々しく、見ようによっては未成年にも見える。
 同僚にも自慢できるような自慢の妻だった。じっと顔を見ていると、顔に何かついてる? などとマイが言った。素直に綺麗だよ、と言うとマイは恥ずかしがって、いいから早くご飯食べなよと鯛の煮付けを口に運び出した。俺は、間違いなく彼女を愛している。
 煮付けの味付けは絶妙だった。料理では、マイはユウコに及びそうもない。
 ユウコは、俺より4つ上の37歳のはずだ。
 彼女くらいの年齢が、女は一番盛りらしいが、実際にそうなのだろうか。
 無論、俺にそんな事が分かろうはずもなかった。


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