投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ポテトサラダができるまで
【コメディ 官能小説】

ポテトサラダができるまでの最初へ ポテトサラダができるまで 4 ポテトサラダができるまで 6 ポテトサラダができるまでの最後へ

ポテトサラダができるまで-5

白い皿の上に盛りつけられながら、彼女は静かに目を閉じた。その姿はさっきまでの何も知らない少女とは違う、大人の魅力に溢れていた。知ってしまった悦び。戻せない時間。彼女はしっかりと自身の運命を受け入れたのだ。

 もうすぐ、彼女の命は終わり、また別の生命を繋ぐためのエネルギーとなる。それでも彼女は満足だった。最期まで、泣きわめくような無様な姿は見せずに済んだのだから。信じられないような快楽を味わったのだから。食卓に並び、人間の口の中に入れられる瞬間、彼女はひとり故郷の空を思い出していた。

 さよなら、みんな。短い間だったけど、わたし、生まれてきてよかった。

 女に生まれて、よかった。


(おわり)


ポテトサラダができるまでの最初へ ポテトサラダができるまで 4 ポテトサラダができるまで 6 ポテトサラダができるまでの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前