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王様じゃんけん
【幼馴染 官能小説】

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夢の中では私が王様-1

寝苦しい夏の夜。
声を押し殺しながらも止まらぬ淫らな指先。
時計の針はすでに午前一時を指そうかという頃。
私はいまだ火照り止まないこの身体を、ひとりむなしく慰めていた。

──いつも姉ちゃんの事考えてしてたから……

すっかり脳裏に焼き付いた隆の言葉が、
胸の鼓動を昂ぶらせる。

(あぁ…… そう言えば私はじめて隆で………… しちゃってるんだ……)

物心ついた頃から、いけないと思いながらも止められない秘め事。
漫画や小説の主人公になりきってばかりの十八年間、
今日はじめて私は実在する男の人、
それも幼なじみである隆を想い指を濡らしていた。

(もし、あのまま『王様じゃんけん』を続けていたらどうなっていただろう……)

あり得なかった現実を持ち前の想像力で補完しながら、
おぼろげながら架空の隆を自分勝手に操る私。

「今度は夏樹姉ちゃんのしてるとこ…… 見てみたいな……」

そう言って私の身体を抱き上げると、
ゆっくりとベッドに寝かせてはスカートのファスナーを降ろす隆。

「やっ…… いいっ! じ、自分で脱ぐからっ…………」

私は腰をあげ、素早くスカートを脱ぎ捨てると、
手近に見えたタオルケットを引き寄せては、
潜り込むようにその身をくるませた。

「ほ、ホントに………… しなきゃ駄目?」
「だって………… 王様の命令は絶対だろ?」

そう呟きながら、私の隣に身体を横たわらせると、
はだけたブラウスの隙間から、
そっと手を入れ胸を揉みしだく隆。

「なんなら俺が手伝ってやろうか?」

大きな手の平でゆったりと全体を揉みほぐすと、
絡めた指先で器用に先端を弄りはじめる隆。

「やっ…… そこはっ! んんっ…… やだっ、変な声でちゃうっ…………」

私はまるで想像とリンクするように、
痛いくらいに硬く尖った乳首を指先できつく摘んだ。

(んっ…… そう言えば私のここ…… 変じゃなかったかな?)

胸の大きさとは裏腹に、薄く小さな私の乳輪。
隆は『綺麗なピンク色』なんて言ってくれたけれど、
その言葉に素直に喜んでいいものなのか、未だによくわかっていない。

(だって…… それって他の誰かと比べてって事でしょ?)

思わぬ嫉妬心にどうにも苛立ちを隠せない私。

別に隆が誰と何をしようと私には関係ないはずなのに、
過去も未来も私と隆は幼なじみである事に変わり無いはずなのに、
何だかやるせない気持ちに苛まれた私は、
ギュッと目を閉じ、逃げるようにまた想像の世界へと頭を切り換えた。


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