滴った-1
それはまるでアメーバのようで、ナメクジのようで、ニンゲンのような不思議なもの。
地面の流れと逆らって
時には速く
時には遅く
自分の身を削りながら進む
けれど命は儚くて
たった一往復で命は半分以下にまでなってしまった
ゼリーみたく透明な体
ときどき色のつく日はあるけれど
今日見つけたその子は本当の透明だった
そのうち靴に吸収される
そのうち気となる
それまで頑張れ
雨の日の電車内にできた水溜まり