王様の命令は絶対です-1
「ま、待って?やっぱり今の無しっ! じょ、冗談よ冗談!」
思わず口をついて出た失言に、頬を赤らめうつむく私。
両手で顔を覆いながらチラリと視線を上にあげると、
二つ年下の幼なじみである隆もまた恥ずかしそうに顔を赤らめているのがわかった。
勉強の合間、ちょっとした息抜きのつもりではじめた昔話。
あれこれ話すうちに思わず盛り上がってしまっては、
当時二人の間で流行っていた『王様じゃんけん』の話になったのが事の始まり。
じゃんけんに勝った方が王様、負けた方は王様の命令に絶対服従
そんないたってシンプルな遊びの『王様じゃんけん』だが、
夏の解放感にあてられたのか、
十分間という時間的制約をつけると共に、
あろう事か私は『エッチな命令に限る』なんてとんでもルールを敷いてしまっていた。
「ほ、ほらっ! 無駄話はこれくらいにして………… そろそろ勉強に戻ろ?」
そう言って私は誤魔化すように机の上の教科書を手に取ろうとするも、
突然立ち上がっては、カチャカチャとベルトを外す隆。
「こ、こらっ! だからさっきのは冗談だって言ってるでしょ!?」
私は上擦った声でそれを制止しようとするも、
隆は黙ったままゆっくりとジーンズを脱ぎはじめていった。
「ちょっ…… やだっ!」
黒地にカラフルな色で無数の英字が敷き詰められたトランクス。
中央にはこんもりとした大きな膨らみが見て取れる。
(うわっ…… こ、コレってもしかして………… ぼ、勃起してるの?)
私は恥ずかしくて咄嗟に顔を覆い隠したものの、
こっそり指の間からそれを眺めては、思わず息を飲んで見入ってしまった。
そんな私を尻目に足下のジーンズを煩わしそうに蹴り飛ばすと、
「お、王様の命令は………… 絶対…… だもんな?」
と、意を決した様子で腰に手を掛けた隆は、
私の目の前で勢いよくトランクスを膝までズリ下ろしていく。
「きゃぁっ!!!」
驚きのあまり思わず大きな声を上げるも、
つい目を奪われてはそれを凝視してしまった。