その涙にキスをする-1
君は「初めて」なのだと言った。
キスはしたけれど、胸は触られたけれど、あそこに指を入れられたけれど・・・
でも、そこまでなのだと。
興味はあるけれど、それを許すほどの相手と巡り合わないままに、僕と出会ったのだと。
まだ未開の君は僕に体を預けながら、目を閉じた。
鼓動が早く、息遣いが荒くなる。
僕ははやる衝動を抑えながら、君を高まらせることに集中する。
時折漏れる声に喜びを感じ、その唇を味わう。
互いの舌を絡ませていると、君を抱く腕に自然と力が入る。
君が十分に潤ってきたのを指で確認しながら体を起こし、その先に進もうとした。
「痛・・・」
君の声を耳にしながら、尚も侵入しようとする僕の耳にすすり泣きが聞こえてきた。
君の閉じた瞳から大粒の涙が溢れている。
痛みと、僕に対する申し訳ない気持ちが涙になって、次から次へと流れていく。
「泣かないで」
僕は君の涙にキスをしながら体を起こし、その体をゆっくり撫でた。
「ごめん・・・ごめんね」
「焦らなくて良いんだよ。ゆっくりで良いから」
流れる涙にキスを繰り返し、僕は君と出会えたことに喜びを感じていた。