バブルの狂宴-1
以前、ゼネコンで現場監督をしていた時の話を一つ。
時はバブル。
何をするにしても、とにかく派手さ豪華さを追求することが美徳とされた希有の時代だった。
その時代を象徴するエピソードとしては、「クリスマスに彼女とどうすごすか
」端的に言うと「どこでネエちゃんと○○○をするか」が一番わかりやすいであろう。
安上がりにしようとすれば、ラブホ・自室・あわよくば車内などで事足りる。しかしその時代は、バカ高いシティホテルを予約するという狂った行為が常態化されており、さらにそれに至るまでに掛かる諸経費もバカにできず、この日に掛かる総額は今から思えば恐ろしい限りだった。
その単価を考えてみると、一発あたり十数万にという価格は高級ソープも真っ青となる。せめて三発くらいきめて単価を下げたいものである。
それだけの費用をかけて釣った魚が、タコやイソギンチャクなら儲けモノだが、もしマグロだったら泣くに泣けない事態と相成るのだった。
さてそんな時代のこと、ゼネコンで私が携わった新築マンション工事が無事竣工を迎えた。
そしてそれを祝して下請けの電気設備会社が、慰労ゴルフコンペを開催してくれたのだ。
と言っても昨今のような近場での日帰りコンペではない。
特急列車に乗り、高級温泉旅館に一泊した上で、翌日にコンペをするという、まさしくバブル仕様の豪華プランのコンペだ。
ここに私が体験した、またはバブル期に各地で幾多と繰り広げられたであろう、温泉旅館の「宴(UTAGE)」の模様を披露することにした。