面接-4
佐々川は長机に置かれたファイルを示し、表情を引き締めてしっかりとなぎさの目を見つめた。
「それでは、卯原さんにこれからいくつかの試験を受けていただきます。その試験に合格できれば、正式採用となります。途中で、もう無理そうだと思ったら退室していただいてもかまいません。ただ、その場合は残念ながら不採用となります」
「試験、ですか……」
「また不安そうな顔になりましたね。大丈夫、適正検査のようなものですから、卯原さんのように素直な方ならきっと合格できますよ」
素直、と言われるたびに、なんだかこそばゆいような感じがした。なぎさは佐々川の期待に応えたいと思った。できることなら、一緒に働けるようになりたいと願いながら、ファイルを受け取った。
「制限時間はありません。また、そこに書かれている指示には極力従うようにしてください。それでは担当の者が参りますので、交替します。頑張ってくださいね」
佐々川はくるりと背を向けて部屋を出て行った。