素直に-1
キュリオは目を閉じてアオイをきつく抱きしめた。
「私が悪かった・・・すまない」
小さく笑うアオイが言った。
「初めてキュリオに勝てました。私」
目を丸くするキュリオは私の手の甲に唇を押し当てながら言った。
「次に私を誘惑したら・・・冗談ではすまさないから覚悟しておいて」
息を飲むほどの色気を含んだ流し目で私を見つめた。
「・・・望むところです」
私も冗談のつもりはない。
何をするにもキュリオ以外の男性とは考えられないから。
すべて私を思っての事だとちゃんとわかっている。キュリオはやっぱり優しい・・・
眠る前に二人でいくつかの約束をして目を閉じた。
「・・・君が浮気をするとは思わないが、私は嫉妬深いようだ・・・お前のこととなると平常心ではいられなくなるんだ・・・」
「・・・私以外の男には冗談でもこんなことしてはいけないよ・・・」
「私にはキュリオしかいないから」
そう微笑むと彼は小さく頷き眠りに落ちた。
キュリオが先に眠りにつくなんて珍しい・・・いつもと逆だ・・・。
(好きな人の寝顔を見られるのってなんだか素敵・・・)
キュリオの胸元に顔を寄せると、優しく甘い香りがした。そして・・・襟元からのぞく綺麗な鎖骨に顔が赤くなる。
先程キュリオが自分の首に吸い付いたことを思い出して心臓が激しく高鳴った。
(わ、わたしが同じことをしたら・・・キュリオはどんな顔をするんだろう・・・)
「大人になったら・・・いつか・・・・・・」
アオイはキュリオの胸に抱かれて幸せな眠りに落ちて行った・・・・