子供と大人-1
私を包み込むように眠っているキュリオの髪に触れた。(そういえば最近お父様と一緒に眠っていないし食事も別だった・・・)
「・・・ごめんなさいお父様・・・」
申し訳ない気持ちでベッドの上に坐していると・・・
「お父様に心配かけるなんてアオイは悪い子だね」
キュリオは本当に寝たふりがうまい。何度この手にのせられただろう・・・(お前が本音を隠すから寝たふりがうまくなってしまったよって以前も笑ってたっけ)
だが怒る気になれないアオイは申し訳なさそうに視線を下げた。
「・・・私のやり方が間違っているんだとわかっています」
勢いよくキュリオに引っ張られ胸元に顔をうずめる格好になってしまったアオイ。
「・・・何を急いでいる?」
「・・・・・・」
「私は頼りない?」
「違いますっ!!!
私が・・・私がお父様を守りたいの」
「優しい子だね・・・」
キュリオは愛おしそうにアオイの頭をなでた。
「こうやって子供扱いされるのも嫌なのっ!!!」
アオイはキュリオの胸から逃げた。
「・・・・・・」
「・・・約束覚えている?
"ふたりきりの時は名前で呼ぶこと"」
「ごめんなさい・・・」
「大人は夕食を抜いて周りに心配かけたりしません。傷の手当もせず、髪も濡れたままにして眠ったりしません」
「・・・うっ・・・」
心当たりがあるアオイは何も言えなくなってしまった。それでも置いてけぼりをくらったようで胸が苦しくなる。
きつく手を握りしめるアオイを見てキュリオは・・・
「・・・そんなに大人の扱いをして欲しい?」
アオイの小さな体をベッドに押倒し、手首を掴んで自由を奪った。
驚いて目を見開くアオイに激しい口付けを落とす。
「んっ・・・」
逃げようとするアオイの肩を押さえつけ、首筋に吸い付いた。
(アオイは恐怖を感じているに違いない・・・。だが、大人になるのは早すぎるとわかってもらうには仕方がないんだ・・・)
「キュ・・・リ、オ・・・」
やり過ぎたかと体を離すと、瞳を潤ませたアオイは頬を染めて私に抱きついた。
「・・・私が降参するのを待っているのでしょう・・・?」
「私、言いませんから・・・」