銀河の下で-3
「じゃあまたね、ミカさん、ケンジおじ。」
「ああ、遅くまで付き合わせて悪かったね。真雪。」
「じゃあ、送ってくね。」龍が言った。
「寄り道せずに、ちゃんとまっすぐ送り届けるんだぞ。」
「わかってるよ。」
真雪と龍は玄関を出た。そしてどちらからともなく手を握り合い、暗くなった道を歩き出した。
「真雪、いろいろありがとう。とっても楽しかった。」
「あたしも。すっごくいい思い出になった。」
「ねえ、真雪、」
「何?」
「僕のこと、どう思ってる?」
「え?何?今さら何でそんなこと訊くの?」
「ごめん、なんか、いつも確かめてたいんだ。君の気持ちを。」
「何度訊いても答は同じだよ。」
「うん。」
「大好きだよ、龍。」
「僕も。」
二人は歩みを止めて向き合い、唇同士を重ねた。
「ごめん。僕って臆病なのかな・・・・。しつこいと嫌われちゃうね。もう訊かない。」
「いいよ、龍、何度でも訊いて。」
「え?」
「そうすればあたしも何度でも好き、って言えるから。」
遥かかなた、夜空を大きく横切る銀河が龍と真雪を見下ろしている。二人はまた手をつないで歩き始めた。
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