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Twin's Story 7 "Milk Chocolate Time"
【幼馴染 官能小説】

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浄化-4

 「龍くん、」真雪は龍の部屋のドアをノックした。龍は飛び起きた。
 「龍くん、開けて、真雪だよ。」もう一度真雪はドアを叩いた。
 「マユ姉、入って来ないで!」龍は大声で言った。「もう俺に近づかないで。」そして龍はまたベッドに突っ伏した。
 「何があったの?ねえ、あたしに話して。」真雪はドア越しに龍に呼びかけた。
 「・・・・・・・。」
 「あなたがドアを開けてくれるまで、あたしここにいるから。」
 「マユ姉・・・・。」龍は涙ぐんだ。そして覚悟を決めたようにベッドから降り、静かにドアを開けた。「鍵なんて掛かってないのに・・・・。」龍は真雪の目を見ることなくうつむいたままそう言った。
 「ありがとう、龍くん。」真雪は部屋に入ってドアを閉めた。
龍の部屋の壁には、たくさんの写真が掛けられている。その中で一番大きな額に納められているのは、シンチョコの店をバックに真雪が微笑んでいる写真だった。そう、かつてシンチョコのパンフレットに使われたこともあるあの写真だ。そしてそれは龍が自分のカメラで撮影したものだった。
 龍は自分のベッドの端に腰を下ろした。ずっとうつむいていて、決して真雪と顔を合わせなかった。真雪は床に膝を抱えて座った。
 「龍くん、あたしね、あなたが本気で好き。」
 「・・・・・。」
 「冗談で付き合いたい、って言ったわけじゃないんだよ。」
 「・・・・・。」龍はかすかにうなずいた。
 「あなたもあたしのことを好きだって、ずいぶん前から気づいてた。でもそれって思い過ごしだったのかな・・・。」
 龍は慌てて顔を上げた。「思い過ごしじゃないよ。ぼ、僕、マユ姉のことが好き。いとことしてじゃなくて、女のコとして。」
 「良かった・・・。」真雪は微笑んだ。龍はまたうつむいた。
 「でも、もう、僕の身体、汚れきってしまった。マユ姉に触れたくても触れられないよ。」
 「え?どういうこと?」
 「マユ姉まで汚れちゃうよ。僕に触ったりしたら・・・・。」龍は目に滲んだ涙を乱暴に右腕で拭った。
 「何があったか、話してよ。龍くん。」
 「・・・・・・。」
 その時、部屋のドアがノックされた。「おい、龍、開けるぞ。」
 「ケン兄・・・・。」
 ドアから顔だけ出して、健太郎は言った。「俺んちに来いよ。龍。」
 「え?」
 「こんなところに一人でこもってたって、ますます落ち込むだけだろ?マユ、いいだろ?」
 「そうだね、そうしよう。龍くん行こ。」真雪は立ち上がり、龍の手を取った。しかし龍はとっさにその手を振り払った。真雪はそれ以上龍の手を取ろうとはしなかった。しばらくして龍はようやく立ち上がった。少し足下がふらついてよろめいた。

 「龍、よう来たな。早よ上がり。」店の前で植え込みの花の手入れをしていたケネスが微笑みながら言った。
 「お邪魔します・・・。」龍は相変わらずうつむいたままだった。
 「どこだったら落ち着く?龍くん。」
 「ここでいい・・・。」
 「ここは外だ。それに雨も降りそうだ。俺の部屋に行くか。」
 健太郎は先に立って歩き、離れのドアを開けた。「入れよ、龍。」
 龍は少しの間ドアの前に佇んでいたが、真雪に促されてしぶしぶ部屋に上がっていった。

 健太郎の部屋の床に龍は膝を抱えて座った。
 健太郎が言った。「今日は泊まっていけよ。どうせ明日土曜日だし。いつも土曜日は部活じゃなくてスイミングスクールだろ?」
 「・・・・・。」
 「ケンジおじやミカさんとは顔を合わせづらいだろ?今のままじゃ。」
 「う、うん・・・。」
 「でもな、お前が悪いんじゃない。悪いのは沼口。そうだろ?」
 「えっ!」龍は驚いて健太郎の顔を見た。
 「やっぱりそうか。悪い予感が当たっちまったな・・・。」
 真雪がドアを開けて入ってきた。「龍くん、喉渇いたでしょ。」
 真雪は3つのグラスにパイナップルジュースをつぎ分けた。「はい。思い出のパイナップルジュース。」真雪は微笑みながら一つのグラスを龍に手渡した。
 「あ、ありがとう、マユ姉。」龍はそれを受け取ったが、一口飲んだだけで、あとは手のひらで大切そうにそのグラスを包み込んだ。
 「話によっちゃ、すぐに行動する必要があるんだ、龍、話してくれ、俺たちに。何があったのか、何もかも。」
 龍は健太郎と真雪の顔を交互に見て、少し怯えたようにようやく重い口を開き始めた。


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