流れ-1
第一部俺の誕生
おれの高校生活は、
常に演技をしなければならなかった…。
そう、
普通の高校生のふりを…。
なぜなら、
歳が大きく離れた、
兄に暴力をふられていたのだ、
体や顔に傷がつく、
それが、
暴力によるものということが、
他人にばれないように、
演技をしたのだ、
兄の命令で…。
兄に殴られるのにも慣れた16の冬…。
雪が軽く降るなかトボトボと歩いて家に帰ると…。
雪が、
炎のように染められていた
しかも、
おれの家のまわりを…。
それは、
家族のなかで唯一おれの味方だった妹のものだった。
当然、
おれは、
鬼のように兄に襲いかかった、
しかし、
返り討ちだ。
腕の骨は折れて、
内臓も軽く壊れただろう…。
誰も病院に連れて行ってくれない、
兄が怖かったから………。
死。
それを、感じた…。
からだ が、
こころ が、
止 ま る…。
だが、
涙がでてきた…。
兄に殴られても泣かなかった、
おれが…。
妹を守れなかった悔しさと悲しみ、
そして、
憎しみで…。
負の感情は、
魔を呼び、力をくれた…。
人でなくなってしまうかもしれないほどの、
強大な力を…この俺に…。