娘か、恋人か・・・-1
(このままの姿ならティーダがアオイを女として見ることもないだろう・・・)
いっそこのままの姿で・・・。
キュリオはアオイの成長を止めてしまおうと考えていた。
しかしそれは・・・アオイの女としての未来を捨てさせることを意味している。
「・・・お父様、私は大人になりたい。お父様に守られているだけじゃ嫌なの・・・っっもっと強くなりたい・・・」
アオイの声がかすれている。
泣いているのだろうか・・・。
キュリオが返事できずにいるとアオイが振り向いた。
「それに・・・大人の女性になったら・・・お父様のベッドにもぐり込むことも、寝間着で広間にでることもしませんっ!!!!」
(普段から私の元に来ることを申し訳なく思っていたのだろうか。寝間着で広間に・・・?あぁ、客人が来ていたら大変だ)あまりにも可愛らしいアオイの発言にキュリオは笑ってしまった。
「・・・わ、笑いましたねっ!?私、本気で言ったのにっっ!」
「ごめんごめん、・・・アオイの大人の女性ってそういう事か。と思うと・・・ね。私は・・・お前がいつか誰かに奪い去られるのではないかと思うと・・・胸が張り裂けそうなんだよ・・・・・・」
「誰かって・・・?」
「私以外の男だよ」
頭の中が真っ白になった。
(お父様以外の男性に奪い去られる・・・?)
「・・・っそんなの・・・いやっ!!!」
アオイはキュリオの胸にしがみついた。
「お父様以外の人なんて・・・絶対嫌ですっっ!!!!」
驚くキュリオ。
(アオイはどんな意味を込めて言ったのだろう。私は・・・私の気持ちは・・・)
「アオイ・・・」
なだめるように抱きしめた。
いつもなら聞き分けのない子供をあやすように額にキスしていただろう。その時のくすぐったそうに目を細めるアオイの顔が好きだった。
(キス・・・・・・?)
鈍い痛みが胸に走る。
ティーダのそれが脳裏から離れない。
気が付くと私は・・・
アオイの唇に自分の唇を重ねていた。
どうか拒絶しないでほしい。
そう願いながら・・・ゆっくり目を閉じた。