花火と浴衣-10
はじめは後ろに立っていただけなのに
次第に肩を持たれて、もっと近くにと抱き寄せられ
今は後ろから手を回されて
私のおなかで秋クンの手が交差していた。
人と軽くぶつかるたびに
その手がぎゅっと力を入れて
秋クンに私の体を引き寄せる。
「花火、きれいだね」
いつの間にか
背の高い秋クンがそっとかがんで
私の顔の真横に秋クンの顔を寄せて
耳元でしゃべるからびっくりした・・・
「この前さ。俺の部屋に泊まったとき。
あずさ、かわいかったね」
え・・・?
顔を向けたくても
恥ずかしくて秋クンが見れない・・・