バリアフリー-2
「何だかすっごく楽しいね。」マユミが言った。
「もう、こうなったら、」ケネスが照れながら言った。「わいら4人の身体の関係はバリアフリーになったっちゅうことやな。」
「確かに。これで4人の秘密はことごとく消え去ったってことだな。」
「すごいことやな、それぞれが3人相手に身体を求め合えるんやで?その時の趣味に合わせて。」
「それもそうだね。」ミカが笑った。
「一つの家族みたいね。子どもたちを含めて。」
「いや、こんな家族は、いてへんやろ。」
「じゃあ、家族以上だ。」ケンジが言って笑った。
「もう、複雑すぎ。」マユミも笑った。
ケネスがハワイ土産のアソート・チョコレートに手を伸ばした。その時!
「あっ!」ケンジが唐突に大声を出した。
「どないしたん?」
「やばいっ!」ケンジは立ち上がった。
「何が?」ミカが訊いた。
「あのビデオの中に、俺たち4人の、あの様子がしっかり録画されてるんだ。」
「な、なんやて?!」
「いつの間に撮ってたのよ。」マユミも動揺して言った。
ミカがコーヒーカップを手にとってつぶやいた。「もう手遅れだな。」そして続けた。「龍、トラウマにならなきゃいいけど・・・。」
その時、二階から真雪が真っ青な顔をして階段を降りてきた。
「母さんっ!」
「ま、真雪・・・・。あ、あなた、ビデオ見ちゃった?も、もしかして最後まで・・・・。」
「見た。最後まで。」
「見たんかいなっ!」
「おしまいだーっ!」ケンジが頭を抱えた。
「でも、二日目の昼で、テープが終わってる!」
「え?!」大人4人は固まった。
「最後にちょっとだけ、暗い部屋が写ってるけど、それきり・・・。」
ミカがカップをテーブルに戻しながら言った。「セーフ。」
「三日目の街のバレードが見たかったのに・・・・・。」真雪はがっかりしたように言って、また二階へ戻っていった。
Twin's Story 6 Extra "Macadamia Nuts Chocolate Time"
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