4人の夜-1
「暑いっ!」ミカは汗だくになって起きた。いつの間にか陽が高くなっていた。
「やっと起きたのか、ミカ。」ケンジがレモネードの入った二つのグラスを持ってテラスにやってきた。「よく寝てたな。」
ミカはケンジからグラスを受け取って、デッキチェアに腰掛けた。ケンジも隣に座った。
「昨日は飲み過ぎちゃってさ。」
「お前、張り切りすぎ。」ケンジは横のガラスのテーブルにグラスを置いた。「一人で仕切ってたからな、昨日は。」
「あたし、もう楽しくてしょうがない。」ミカもテーブルにグラスを置いて笑った。
「見てりゃわかるよ。」ケンジも笑った。
「子どもたちは?」
「ビーチに行っちまったよ。」
「そうか。」
「健太郎が朝食の時、ちょっと眠そうだったけど・・・、」
「へ、へえ、健太郎がね。」
「あいつ夜寝てないのかね。」
「き、昨日疲れたんだろ。」
「ところで、お前、まだ目標達成してないだろ?」
「目標?ああ、あの目標ね。」
「ケニー、期待してるぞ。」
「本当に?よしっ!今日こそ念願を果たす!」ミカはそう言って立ち上がった。
「お腹すいただろ?フルーツとサンドイッチがあるから、食べなよ。」
「ありがとう、ケンジ。先にシャワー浴びるわ、あたし。」
「ああ。」
二人は部屋の中に入った。