ワイキキビーチ-2
「父さ〜ん。」龍が4人のもとにやってきた。
「どうした龍、情けない声で・・・。」
「僕たち、なんだか注目されてるよ。」
「注目?誰に。」
「若い女の子。」
「知り合いか?」
「外国人に知り合いなんかいないよ。」
「なんでまた・・・・。」マユミも言った。健太郎と真雪もやってきた。
「きっと俺たちの水着が目立つんだな。」健太郎が言った。健太郎も龍も肌に食い込むような小さなビキニの水着を穿いていた。「俺たちぐらいしかいないよ。こんな水着着てるの。」
「確かに、」ケネスは周りを見回した。「わいたちぐらいやな、こんなセクシー水着着てんの。」
「あなたたち、似合うからよ。」マユミが目を細めて言った。「立派な身体になってるから・・・。女の子の心を鷲づかみっ。」
「しっかし、健太郎ってホントにケンジにそっくりだな。」ミカが言った。
「だよね、高校二年の時のケン兄と瓜二つ。」マユミも言った。
「おまけに龍も父親を小型にしたような風貌だしな。」ミカは腕を組んで少し考えた。「よしっ!おまえら、ちょっとそこに立て。」
「え?」健太郎が言った。
「海をバックに記念写真撮ってやるから。ほら、ケンジが背後、その前に健太郎、そして一番前に龍。ほら、並べ。」
ミカは三人を立たせた。
「おお〜!」ケネスが唸った。「こうして見ると、ほんまにそっくりや。」
「確かにそっくりだね、見事に。」真雪も言った。
「ケンジ親子のマトリョーシカ人形ってか。わっはっは!」ミカは豪快に笑ってシャッターを押した。
「さて、次はあなたたちよ、マユミ、真雪。」
「え?あたしたち?」
「同じように立ってみなよ。」ミカが促した。輝く海を背にして、真雪が立ち、その後ろにマユミが立った。
「おお〜!」ケネスがまた唸った。「これもなかなかやな。」
「よし、笑えっ!」マユミと真雪は同じような笑みを浮かべた。ミカはシャッターを押した。