契り-8
風呂は滅多に入れなかったが、この日だけは奮発した。
この日の為に木を集めてきたり、薪を貰っていたからである。
「どう、木村君、湯加減はどう?」
雪子は、風呂場の外から声を掛けた。
「はい、おばさん、良い湯加減です、気持ちが良いです」
雪子は、その時はもう(女)になっていた。
まだうら若い青年を明日戦地に送るかと思うと、居ても起ってもいられない。
この身体で、木村君に喜んで貰おう。
そう思うと自然と服を脱いでいた。
そして全裸になると、浴室に入っていった。
彼はまだ湯船に浸かっていた。
「木村君、おばさん来ちゃったわ」
「あ、おばさん・・」
湯気が少し立ち上る中に、裸になった雪子が立っていた。
一人子供を生んだ身体とはいえ、美しかった。
乳房は、形が良く、腹も出ていない。
何よりもその肌が雪のように白かった。
思わず青年は湯船から出て、雪子の前に立っていた。
恐ろしいほど股間のものを勃起させながら。
「抱いて、木村君」
「はい・・」
湯気が立ち込める中で、起ったまま二人は抱きあった。
「あぁ・・」
雪子は腹に青年の勃起した陰茎を感じ、濡れていた。
もう、その時には青年に対する哀れみではなく、一人の女になっていた。
(嬉しい・・)
それは、寂しい一人の女の儚い喜びかもしれない・・
「おばさんが、しゃぶってあげる」
そういうと板の間にしゃがみ、彼の一物をしゃぶり始めたのだ。