人狼族の裏切り者(注意、性描写あり)-4
「ん……ん……」
口内を貪られながら、ゆっくり指を抜き差しされると、たまらなかった。食べて欲しいと言うように、夢中で自分から舌を差し出してしまう。
蜜が量を増すと共に、指の本数も増やされ、ぐちゅぐちゅに蕩かされる。
「ん、ん、んーーっ!」
絡ませた舌に声を吸い取られながら、なんなく絶頂に押し上げられた。瞼の裏に白い星が散る。
ガクガク痙攣する身体を、必要な筋肉だけがついた腕に抱きしめられる。
「あ……ぁふ……んっ」
激しく上下する胸の動悸も静まらないうちに、指がズルリと引き抜かれた。切なさにラヴィは眉をひそめる。
もっと身体にルーディの存在を植えつけて欲しくてたまらない。
「ルーディ……」
思わず、ねだるように見上げてしまった。
飢えた琥珀の瞳と視線がかち合った瞬間、片膝を掴まれ、大きく足を開かされた。
「ぁんっ!?」
「ラヴィは誘い方が上手すぎる」
「えっ!?」
咎めるように囁かれた小声に、思わず反論した。
「そんな……違……っ!」
また唇を塞がれ、抗議は途中で途切れる。
そのまま、じんじん疼いている場所へ、熱をもった固い肉が有無を言わせずに押し当てられた。
「ん、んん……は……ぁ……」
押し込まれ始めた性器は、処女には辛すぎる大きさで、小柄なラヴィには、なおの事厳しい。力の抜けていた体にも相当の苦痛を強いた。
引き裂かれる痛みに、きつく閉じた目じりから、涙がいくつも流れ落ちる。
「ぅ……」
「痛い……?」
頬に優しい口付けが落とされた。
深く刻まれた爪痕に、ぬるりと舌を這わせられ、恍惚感にゾクリと背が震えた。
心配そうなルーディの顔を引き寄せて、初めて自分から口付けてみた。
「だい……じょうぶ……だから……」
貴方が欲しい……。
深くなった口付けに、最後まで言えなかったけれど、ちゃんと伝わったらしい。
「ん、ん……ふ……」
粘膜が破かれ、膣壁をいっぱいに押し広げながら、根元まで埋め込まれる。
「ラヴィ……愛してる……」
抱きしめられ、うわ言のように熱っぽく囁かれるうち、痛みの奥に見え隠れしていた感覚が、次第に引きずりだされてきた。
熱くて甘ったるくて、きもちよくてたまらないのに、あと少し足りない。
もどかしさに身じろぎすると、ルーディの腰も次第に動きだす。
「は…ぁぁ…ふぁっ!あっ!」
仰け反って喘いだ拍子に唇が外れ、悲鳴に似た快楽の声がほとばしる。唾液が口はしから滴り落ちた。
声を殺す余裕など微塵もなかった。
むせび鳴く淫らな声が聴覚を刺激し、さらに快楽へ追い討ちをかけられ、思わず内部の男を締め付けてしまう。
繋がった場所から、次第に痛みが消え、純粋な快楽だけが提供される。
ルーディの手が、緩やかに肌を撫でていく。
頬、腕、わき腹、腿など、触れられる所から次々と悦楽の波が押し寄せ、ラヴィを身悶えさせる。
「ああああっ!」
両の乳首を摘まれ、ズクンと子宮が凄まじい快感に突き刺される。
胸を嬲られながら、揺さぶられると、もう理性は欠片さえ残らず壊されてしまった。
「あっ!あああっ!!!ひ、ぁぁっ!!」
嬌声をあげながら、夢中で性感を貪る。
浅い位置で軽く抜き差しされ、一気に最奥まで突きいられると、肉体も心も快楽に串刺しされた。
何度も何度も、瞼の裏に白い火花が散り、ルーディと繋がっている事しか考えられなくなる。
腰を抱えられ、息が止るほどの快楽にむせびないた。
両腕を首に回し、逞しい身体に足を絡ませ、全身ですがりつく。
「ああっ!もう……もう……苦し……」
何度も気を失いそうになりながら、過ぎる快感は、それさえも許さない。
最奥を突かれるたびに、愛しい相手の遺伝子を欲しがる本能が、膣壁をひくつかせて誘惑する。
相手に愉悦を与え、ここに精液を出して欲しいと、ラヴィの身体が必死で懇願している。
不意に顎をつかまれ、乱暴にさえ思うほど激しくキスをされた。
侵入した舌に口内をあますところなく舐められ、繋がった下腹部も深く押し入られると、全て貪り尽くされている気分になる。
「んっ、んっ、んんっ……!」
最奥をえぐられ、全身を引きつらせながら、埋め込まれた雄を締め上げた。
重なり合った唇の奥で、ルーディも獣の唸りにも似た低い呻き声をあげたのがわかる。
いっそう膨らんだ性器が震え、熱い奔流が流し込まれた。
「ぁぁ、ぁ、ぁ……」
いっぱいに注ぎ込まれながら、最後の一滴まで搾り取ろうと、ラヴィの体内は痙攣をくりかえす。
まだ快楽の熱に打ち震えたまま、ルーディを見上げた。
とても幸せそうな顔をした、愛しい人狼の青年に、抱きしめられる。
狼に恐怖を植え付けられ、人に絶望へ叩き落された。
その両方であり、どちらでもないルーディだけが、ラヴィの愛する“つがい”だ。
しばらくして息が治まっても、ルーディはラヴィを抱きしめたまま離さない。
裸の厚い胸に押し当てられていると、ひどく心地よい心臓の鼓動が伝わってくる。
そしてルーディは、何もかも話してくれた。
あの狂ってしまったような狼の行動……あれは『発作』と呼ばれる症状だという。
それが全ての始まりだった。