36 花魁-2
その後2週間ぐらいで、またサトルさんから「会いたい」とメールが来た。待ち合わせ場所は、鶯谷駅の東口だった。
鶯谷と言えば、ラブホテル街がある事ぐらい、私も知っていた。あぁ、また身体を求められるんだ。そう思った。
案の定、鶯谷駅から歩いて数分、ラブホテル街の一角に部屋を取り、セックスをした。
何か急いている感があり、初めて抱かれたあの日とは比べものにならないぐらい、乱暴だった。珍しい事に「言葉攻め」をされたり、淫乱な言葉を要求されたりした。
私の陰部を舌で弄んでいる途中で、部屋の電話が鳴った。
「何だよ、クソッ」
怒りの感情を露わにした。彼女と――彼女と何かあったんだろうか。勿論そんな事は聞きたくなかったので、黙っていた。
とにかく、いつものサトルさんではなかった。それともこれが通常のサトルさんなのか?
会計では半額を要求された。これが当たり前なのかと思った。