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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜後編〜-8

「キアルリア、ズーム出来るか?」

「パシー、拡大出来る?」

 アースの要望をパシーに伝えると、映像が拡大され細部が見える。

「ちょっとちょっと……あれ、転移の魔法陣じゃない?」

 魔法陣が得意なリンが身を乗り出して魔法陣の法則を読んでいく。

「……ヤバイわね……行き先はここ……ゼビアの城よ」

 リンの言葉にいち速くスオウが動いた。

「総員!戦闘配置につけ!相手は闇魔法使いだ!防御の護符を忘れるな!」

 通信機に怒鳴ったスオウの声が城内に響き渡る。
 通信機は普通なら小さくても肩掛け鞄ぐらいのサイズで持ち歩くにも少々不便なものなのだが、ゼビア騎士団のは特殊で魔法陣を組み込んだピアスを使っている。
 それは騎士団全員に装着が義務付けられており、ピアスが空いていない者はイヤーカーフにして着けていた。
 つまり、耳元でスオウに怒鳴られたワケで……騎士団全員が耳を押さえて悶えるはめになる。

「馬鹿やろ……声がデケぇよ……」

「む……すまん」

 アースが耳を擦りながら文句を言うと、スオウはバツが悪そうな顔で素直に謝った。

『正門、配置完了!』

『裏門もオッケーっす!』

『外壁固めました!』

 スオウの怒鳴り声はいつもの事なので騎士団員らは直ぐに復活し、きびきびと行動を始める。

「何処に現れるか分からんぞ!気を引き締めろ!」

「キアルリア、国王と妃を頼む」

「了解」

 キャラが映像投影装置から手を離そうとした時、映像の中の魔法陣が光輝いた。

ゴオオォオォン

 同時に凄まじい轟音と衝撃が城を襲い、地面ごと城全体が大きく揺れる。

「っつ……」

 倒れずになんとか踏み留まったアースは、魔力が集中している場所に向かって走り出した。
 キャラは精霊達を喚び戻すと、アースの命令通りドグザールとイズミの元へ行く。

 異常な魔力の波動は城の正面広場で渦巻いていた。
 通常ならば正門から正面玄関まで赤いレンガの道が続いており、両脇にはいつも白い花が咲き乱れている。
 しかし、今は道の真ん中が大きくえぐれて放射状に亀裂が走り、赤いレンガは砕けて白い花は無惨にもそこらじゅうに散らばっていた。
 そして、土煙が上がる中心には6つの影がある。

「……スネーク……」

 真ん中に立つ男を目にしたアースが小さく呟いた。

 長い白髪、冷たいアイスブルーの目、意外にしっかりした体つきのその男は確かにスネークの首謀者だった。


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