Re:〜後編〜-21
「だ、大丈夫なの?」
そんなに何度もやっていたのか、とキャラは不安そうに聞く。
「大丈夫ですよ。動かなくなった脚も魔力が完全に回復すると戻りますから。明日にはすっかり元通りです」
再びキャラを布団に寝かせた女性は、その首筋に触れて簡単に体温を計った。
「やっぱり、熱が出てきてますね。アース隊長の事は医療チームに任せて、まずはご自分の事ですよ?いいですね?」
意外と押しの強い女性に渋々と従い、キャラは目を閉じる。
思っていたよりも疲れていたらしく、あっという間に眠りに落ちていった。
明け方近くに人の気配を感じてふっと目が覚めた。
「……アースでしょ?」
ベットに腰かけている人物にキャラは微笑んで問いかける。
「良く分かったな」
「匂いで分かる……脚は?」
キャラはアースの腕に手を伸ばし、アースはその手を握って甲に唇を押し当てた。
「まだ動きにくいが大丈夫だ……お前は?」
「熱下がったみたい」
覆い被さるようにしてキャラの額に自分のを当てたアースは体温を確かめる。
「ん、下がってる」
少し顔を離したアースはキャラの瞳を覗きこんだ。
暫し視線が絡まり、自然と唇が重なる。
軽くキスをした後、直ぐに離れたアースはキャラの髪を掻きあげて顔中にキスを降らした。
「んっ……ふふ……くすぐったい……」
キャラはクスクス笑ってアースの首に抱きつく。
首筋に唇を落としたアースはそこに残されたどす黒い手形の痣を見てギクリと固まった。
そろりと痣を撫でられたキャラは、残された痣にやっと気づく。
「……目立つ?」
「少しな……時間がたって今一番濃い感じだな」
悲しそうな表情を見せるアースの頬に手を添えたキャラは優しく唇を重ねた。
「アースのせいじゃないよ?オレの意志が弱かっただけ」
「だが……」
「お互い様だろ?結局、あの男も幸せになれたと思うし……これってハッピーエンドじゃね?」
終わりよければ全て良し……キャラはそう言って再び唇を重ねる。
「っ……前向きだな」
「んふ。エンさんのが移ったみたい?」
2人は笑って深く深く口づけを交わした。
上手く動かない足をベットに引きずり上げたアースは、キャラの布団をはぐって横に潜り込む。
キャラは少しずれてアースを抱き止めた。