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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜後編〜-18

『もう逝く。他の闇魔法使いの魂も連れて逝くから心配するな』

 オーウェンの体が金色の光球に変わる。

「オーウェン……オレも兄様達も幸せだよ」

『知っておる』

 キャラの言葉にオーウェンは笑いながら答えて空に上がっていった。
 金色の光球の後から5つの白くて小さな光が追いかけていく。

 その不思議な光景は避難しようとしていた城の人達にも見えていた。
 事情は分からないが、ドグザールはなんとなく正式な騎士の礼を空に送る。
 それにならって騎士団員も次々と礼を送り、イズミが古い葬送歌を歌いだした。
 長めの葬送歌を聞きながらアースとキャラ……そして、グロウとデレクシスも空を見上げる。

 空は何事も無かったかのような澄んだ蒼色をしていた。

 数時間後

 客室の中でも一番立派な浴室の浴槽に2人の男と1人の女が浸かっていた。

「何でデレク王子も一緒なわけ?」

「それはこっちも聞きたいよ」

「しょうがねぇだろ。この薬湯は物凄く貴重な薬草でしか作れねぇんだし」

「だからって一緒に入らなくてもいいじゃん」

「あのな、闇魔法使いの障気をモロに浴びてんだぞ?出来るだけ速く処置しねぇといけねぇんだよ」

 浴槽に入っているのはアース、キャラ、デレクシスの3人。
 アースを真ん中にしてデレクシスは右側、キャラは左側に居た。

 葬送歌が終わった後、事情をドグザールに説明し全て解決した事を伝えると、慌ただしく現れたリンにここに連れてこられた。
 闇魔法使いの障気は普通の人間にはかなりの毒で、城内に居た人達や騎士団員らも毒消しの効果がある薬湯を飲まされている。
 しかし、直に障気に触れている3人には飲むだけでは効果が無いのでこうして薬湯に浸かっているのだ。

「キアルリアが文句を言うのは分かるが、何でデレクシスまで文句を言うんだ?」

 キアルリアの裸体が拝めてラッキーだろ、とアースは浴槽の淵に両手を広げて1人リラックスモードだ。

「キアルリア姫には魅力を感じない」

 デレクシスの答えにキャラはムッとして振り返る。

「軽薄王子のクセに良く言うよ」

 キャラの言葉に今度はデレクシスがムッとした。

「軽薄は卒業したよ?」

「嘘つけ。この間だって女いっぱい連れて歩いてたじゃん?」

「あれはあっちから誘ってきたんだし……」

「へえ?誘われたらホイホイ着いていくんだ?やっぱり軽薄じゃねえか」

「あの子達とはお茶しか飲んでないのにそこまで言われる事ないと思うな?!」

 アースを挟んでまるで恋人同士のような喧嘩を始めた2人。
 2人ともヒートアップして立ち上がって言い合いをしているので全てが丸見えだ。


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