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ゼビア・ズ・サイドストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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Re:〜後編〜-12

(きっ……ついなぁ……クソがっ!)

 魔導師を凌ぐと言われる闇魔法使い4人を生け贄にした攻撃……さすがのアースでもそろそろ限界だ。
 歯を食い縛った口の中に金臭い味が広がり、暗光に近い方の腕の服が弾け飛ぶ。

「アース!!気合い入れなさい!背中から行くわよ!!」

 いきなりのリンの怒鳴り声で遠くなりかけた意識が戻ってきた。

(……な…んだと?)

 リンの言葉の内容を把握したアースは一瞬サァッと青くなり、慌てて下腹に力を入れる。
 その時、アースの背中に巨大な魔力の塊がぶち当たった。

「ぎっ……いぃっ」

 その魔力の塊はリン、グロウ、そして騎士団の魔力持ち達の魔力を凝縮したもの。
 人間同士の魔力の受け渡しは口移しが普通だが、緊急の場合などはこうして無理矢理体にねじ込む。
 何故、普通はやらないのか?
 それは熱いし痛いし、無理矢理他人の魔力を入れる事によって後で必ず体に支障をきたすからだ。
 薬によるドーピングに近い。
 ついでに言うと魔力持ちを集めて魔力を吸って凝縮させたのはリン……つまり、多数の人間と口づけを交わしたワケで、グロウは不機嫌になっている。

 一方、アースは背中から内側に入り込もうと渦を巻く魔力を受け入れるべく、少し体の力を抜いた。
 その隙をついて暗光がグンと勢いを増す。
 アースの足元が更に大きく陥没し、暗光に遮られてアースの姿が見えなくなった。

「あーあ……潰れちゃった」

 男は爪を削るような仕草をして興味なさそうに呟く。

「ゼビアの魔法使いを舐めるんじゃないわよ!!」

 リンにチラリと視線を向けた男は、指に息を吹きかけて鼻で笑った。

「でもねえ……」

 男が何か言おうとした時、暗光がグニャリと大きくうねった。

「……な?!」

 暗光はギュルギュルと渦巻き初め、巨大な球体に変化する。

「まさかっ?!」

 球体はパシパシと青白い静電気を散らしながら徐々に安定していった。
 その球体を片手で支えているのは、言わずと知れた魔導師アース。
 アースは右手で球体を持ち上げ、左手を膝について体を起こす。

「その……まさかだぁ!!」

 大きく体を捻ったアースは怒号と共に球体を男に向かって投げつけた。

「追!!撃!捌!!」

 投げた球体を後押しするように衝撃波をぶつける。
 暗光の球体はグンッとスピードをあげて男に迫っていった。

「チッ」

 男は近くに居た闇魔法使いの襟首を掴んで自分の前に引きずり出す。


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