乱れた関係-6
わたしたちは、抱き合ったまま、しばらく動けなかった。
「……ひどいよ、タクヤ」
わたしは起き上がって、裸のままタクヤの頭をクッションで何度も叩いた。なんだか恥ずかしくて、悔しくて。タクヤは、ごめんごめん、と謝りながらニヤニヤと笑った。
「でもさ、おまえ、気持ちよかったんじゃないの?」
「……まあね」
「じゃあ、いいじゃん」
なにがいいのか、ぜんぜんわからない。でも本当に自分でするよりもずっと気持ちよかった。なんだろう。身体の相性とか、あるのかしら。
「……彼には絶対ナイショね」
「わかってるって。だから……な……?」
タクヤはまたわたしの身体を抱き寄せた。今度はわたしからも、タクヤの首に腕を絡ませた。わたしたちはこれからもこうやって、お互いを求め合っていくのだろう。わたしたちの間に、また誰にも言えない秘密がひとつ増えた。
(おわり)