乱れた関係-4
「昼間っからその気になるような話をしたのはおまえのほうだろ……だいじょうぶ、静かにしていれば気持ちよくしてやる」
そんなつもりじゃないのに。彼のことを想うと涙が出てきそうになる。ここで大きな声を出せば、階下のおかあさんたちが騒ぎを聞きつけてやってくるに違いない。わかっていた。わかっていたのに……わたしは声を出さなかった。
タクヤは片方の手で上手にわたしの洋服を脱がせ、頬から首筋、鎖骨から乳房へと丁寧に舌でなぞるように愛撫していった。その優しいタッチに、まだ肝心なところには全然触れられていないのに、下着がじゅんと熱く湿るのがわかった。固さを確かめるように何度も乳房を両手で揉み、乳首を口に含む。
「あぁ……っ!」
あまりの気持ちよさに背中がのけ反る。タクヤの見透かしたような目。わたしが感じてること、わかってる。恥ずかしい。顔が熱くなる。乳首のまわりを舌が這う。先端に歯を当てられる。強すぎず、弱すぎないその力加減が、わたしの身体の奥に眠っていた快感を呼び覚ます。
タクヤの指がスカートの中へと忍び込む。下着の隙間から、足の間の秘密の場所を弄り始める。クリトリスを擦りあげながらわたしの反応を見ている。抑えきれなくて、小さく声が漏れてしまう。くっくっ、と笑いを堪えるような声が聞こえる。悔しい。まるでタクヤにおもちゃにされているみたい……
下着を脱がされて足を大きく広げられた。その間にタクヤが顔を埋める。舌が襞を割ってわたしのなかへと侵入してくる。こんなこと、まだ彼氏にもされたことがない。指とは違うその感触が、気を失いそうなくらい気持ちいい。ぺちゃぺちゃといやらしい音がする。呼吸が荒くなる。ああ、もっと。もっと奥まで……
ふいにタクヤがわたしから身体を離す。
すごくいいところなのに……こんなところでやめるなんて。タクヤが顔を近づけて、とても意地悪な目をして言う。
「なあ、自分でやって見せろよ。さっき言ってただろ? ほら、いつもやってるみたいに」
「えっ……」