「予感」-1
「予感」(純二)
純二が結をはじめて見たのは大学2年生に進級して間もない5月の頃だった。その日授業が
午前中で終わった彼がのんびりと駅からマンションへの道を歩いていると、10mほど前を
小柄な女性が同じ方向へ向かっていることに気づいた。
同じ大学の学生か。純二は思った。このあたりで学生らしい輩
なんて大体がそうだ。例の女性がまさに純二の住むマンションに
向かっているのを確信したところで彼は声をかけてみた。
「もしかして、A大学の方ですか??」
小柄な女性が驚いたように振り向く。
「そうですが、何か・・・」
「驚かせて御免なさい、ついきになったもので。私もこのマンションに住んでるんですよ。」
「あらそうなの!」
「俺、高井純二です。よろしく!今年から2年なんですよ。」
「吉兼結です。私は大学院よ。ほかの大学から来たの。」
「大学院!!俺より若いかと思ったのに!」
「小さいからね、よくそう見られるわ。」
これが結との出会いであった。純二はあらためて結を観察してみた。
結構かわいい。本当に小さい(身長は146cmほどなことが後に判る)が、
その割に主張の強い胸と意志の強そうな顔、きれいな声が印象に残った。
その夜純二は結を想像して抜いた。あのどこか寄せ付けない雰囲気
の結が素裸で彼にまたがる。整った顔が快感に歪み、腰を振るごとに
引き締まった胸が揺れる。結はオーガズムに近づくたび激しく腰を振って、
鋭い叫び声を何回もあげて、そして・・・
強い射精とともに彼は現実に引き戻された。
現実の結はどんなセックスをするのだろう。
興奮の冷めないまま純二は眠りについた。