恋しくてたまらない-7
感情を表に出すのが苦手な私の想いを、先生だけが見抜いてくれる。
それが、なんだかすごく心地好かった。
先生の綺麗な瞳が私を見つめ、私はつい息を吐く。
たくさんキスをして、少しずつ息が荒くなる。
それが恥ずかしくて先生を見ると、先生は苦しそうな顔で私を見た。
「悪い、その…もっとキスしてもいいか?」
「は、はい…」
心臓が大きく鳴った瞬間、唇が覆われる。
唇を唇で挟まれ、先生の唇が角度を変えて私の唇に重なる。
どうしよ、私、どうすれば。
唇とか、手とか、やり場が分からずに慌てていると、唇が離れる。
「ごめん。」
先生は少し笑って、びっくりするくらい優しい瞳で私を見る。
私は本当に先生が好きだと思った。
冷静で少しやる気がなさそうで、大人の先生。
最初に私が知っていたのは、そんな先生だけだった。
でも実際の先生は、すごくあったかくて繊細で、悩むことも迷うこともあって…
…一人の、私とは違う男の人だった。
先生、大好き。
何度も何度も、キスをした。
いつもの先生からは想像がつかないくらい甘いキスは、分かりにくい先生の想いが流れ込んでくるみたいで、私は先生の手をぎゅっと握り、先生は握り返してくれた。
『また、来い』
あのときの先生の手、今は、恋人の手になったんだ。
私は、ずっとずっといつまでもこの温度を感じていたいと思った。
END
…?