囚われの三日目についての記述。-2
サーフィの身体は、どこもかしこも熱く蕩けるようで、ヘルマンを魅惑する。
ローブを剥ぎ取り、一糸まとわぬ彼女の裸身が、ランプの明かりに淫靡に照らされるのに見惚れた。
サーフィの性感ポイントは全部覚えたから、耳から首筋にそって舌を這わせ、鎖骨を甘く噛んでやる。
「んっ」
可愛らしい声と共に、ピクンと身体が跳ねた。
単に目鼻立ちとかプロポーションなら、彼女より美しい女性は何人も見た。
それでも、今まで抱いたどんな女性より、サーフィはヘルマンを夢中にさせた。
甘い吐息や喘ぎ声の零れる唇、張りのある胸や、細い腰の絶妙なくびれ、男を受け入る狭い部分も、全てがヘルマンにあつらえたように、ピッタリと収まる。
指の腹で胸の突起を潰すように押すと、簡単に硬くなって震えだした。
熱に潤んだ赤い瞳が、もの欲しそうにヘルマンを見つめている。
唇をあわせてキスすると、幸せそうに小さく呻きをあげた。サーフィはキスに弱いのも、とっくに解っている。
角度を変えて息継ぎさせながら、口内を舐めあげ、小さな舌を絡めて吸い上げる。
こういったキスは、いつだって相手の気分を盛り立てて、その気にさせてやるだけの行為だったのに、いつしかヘルマンの方が、夢中でサーフィのキスを貪っていた。
先日すでに、それを自覚していたから、口付けるのは極力控えようと決心していたのに、愛しすぎて止まらない。
押し倒し、飢えた獣のように柔らかい唇を貪りながら、内心で自嘲する。
これは、恋人同士の甘い睦言じゃない。
彼女にとっては、勝負なのだ。彼女を性奴隷に堕としめようとする憎い男との、プライドをかけた勝負だ。
初めて生まれてしまったこの感情は、捨てなくてはいけない。
決して、応えてなどもらえない。応えてもらおうなど、ヘルマン自身が許せない。
こんなにも愛しいサーフィを傷つけた自身を、決して許せない。
滑らかな肌をさぐり、とろとろ蜜を溢れさせている場所に、ゆっくり指を埋める。
「あぅっ」
首を仰け反らせて、サーフィが喘いだ。
熱いひだが、まちこがれていたように指へと絡みつき飲み込んでいく。
ひくひくと絶妙な痙攣を繰り返しながら、吸い付き、もっと刺激をくれと強請る。
内部の感じる部分で指を軽く折り曲げると、可愛い喘ぎ声とともに、熱い滴りがいっそうあふれ出す。
シーツをぐしゃぐしゃに握り締め、涙をぽろぽろ流しながら悶えるさまが愛しくて、もっと乱れさせたい欲求に抗えない。
「あ……へるまんさまぁ……っ!」
「……。」
黙れ。黙ってくれ。そんな切ない声で呼ばないでくれ。
必死でそう祈った。
諦めるのが、耐えられなくなる。
このまま本当に壊して、自分だけの物にしたくなってしまう。
凶暴で危険な思考に、頭が乗っ取られていく。
……よがり狂って、意味のある言葉なんか吐けなくなるほど、責めたてててやる。
指を増やし、繰りかえし繰り返し攻め立てる。
悲鳴をあげながら白い肌がシーツの上でくねり、何度目かの絶頂を促した後、あの薬をとりだした。
つぷん、と綺麗な色をした媚肉が、金色の粒を飲みこんでいく。
「ん、んあ……あ……」
悩ましい吐息混じりの声に,理性が砕けそうになる。
燃えているように熱く狭い園へ、性器を突き入れて、薬を潰す。
「ああっ!!」
背中にまわされた手に力が入り、服の布地ごしに爪を立てられる。
絶頂にビクビク痙攣されている身体を引き起こし、繋がったまま腰の上に座らせた。
「っ!?あ、え!?」
自分の体重がかかる分、より深く内部をえぐられる刺激に、サーフィが驚きの悲鳴をあげた。
力のろくに入らない体が、すがりつくようにヘルマンに押し付けられる。
「自分で動いてみてください。」
ことさら意地悪な笑顔をつくって、催促した。
案の定、両眼からぽろぽろ涙を零しながら、サーフィは首を振る。
それでも本能に抗えず、もじもじと腰がゆらめき始め、そんな自分を恥じるように、ヘルマンの肩口に顔を埋めて隠す。そんな仕草もたまらなく可愛い。
「あっ、ふ……ぅ……あ……」
火照った頬に流れる涙を、舌で舐め取った。
狂おしい飢餓感に、おかしくなりそうだ。
故国の森にうろつく飢えた狼は、こんな気持ちなのだろうか。何もかも忘れて、ひたすら彼女を貪りたい。
身体だけでなく、心まで全て欲しい。
誰にも渡したくない。
平然を装いながらも、次第に我慢できなくなって、また彼女を押し倒して攻め立てる。
「あっ!あっ!!あああっ!!!」
何度も絶頂を繰り返したせいで、しまいにサーフィは突く度に達するようになる。
膣内が激しく痙攣を繰り返し、蕩けきった赤い瞳から、ぽろぽろ涙が伝いおちる。
その様に、どうしようもなく欲情する。