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氷炎の舞踏曲
【ファンタジー 官能小説】

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囚われの一夜目目についての記述。-4

 触れられた瞬間、突き抜けた性感に、大きく仰け反った。
 強すぎず弱すぎず、絶妙な強さで刺激され続け、ガクガク腰が震える。
 内部に埋めた指もリズミカルに動き続け、止めようと反射的に締め付けてしまえば、かえって指の存在感をリアルに感じてしまう。
「あ、あ、あ、あ、あ……」
 怖くてたまらない。なのに溢れ出した涙は、もう純粋に悦楽からくるものだ。
 身体の奥に潜んでいる本能はとっくに心を裏切って、もう少し……もっと……と、強請りつづける。
 サーフィの変化に気づいたのか、クスリと小さくヘルマンが笑う。
 それは決して小バカにしたようなものではなく、柔らかく優しいものだった。
 蜜壷に埋められた指が、より激しく抜き差しされる。
「あ!ふぁっ!あ、あ―――――――――――――っ!!」
 内部の一点を、強めに突かれ、閉じた瞼の裏で、白く火花が散った。
 腰を中心に、全身が激しく痙攣する。
「っ!はぁっ!はぁっ……」
 全力疾走したあとのように心臓がドクドク脈うち、汗が吹き出る。
 反り返っていた背が、ぐったりとシーツに落ちた。
「っふ……。」
 そっと優しく頬をなぞられ、余韻にひたっていた体がまたピクンと跳ねる。
「力を抜いてください。」
 したたるほど色気のある男の声が、耳元で低く囁く。
「あ……」
 将来の王の愛人として、性の知識だけは一応教えられていた。
 押し当てられた熱い塊の意味を悟り、蕩けきっていた頭に、恐怖がまた鎌首をもたげる。
「ひっ」
 思わず、喉から小さな悲鳴が漏れた。
「大丈夫ですから。」
 また、あの優しいまなざしをしたヘルマンに、そっと口付けられる。
 まるでこれは、本当に愛しい恋人を抱いているのだとでも言うように……。
 啄ばむような軽い口付けは何度も何度も繰り返され、次第に深くなり、何も考えられなくなっていく。交換される唾液は甘露で、本能に突き動かされて、夢中で飲み下した。
 舌を絡めあい、吸い上げられ、全身から力が抜ける。
 押し当てられたままだった熱い高ぶりが、指とは比べ物にならない質量でゆっくりと狭い蜜道を押し広げ、侵入をはじめた。
 ブチッと、内膜が弾け、下腹部に鈍く熱い痛みが走る。
「――――――っ!」
 悲鳴は、甘い口づけに吸い取られた。
 ケガや痛みには慣れっこだったけれど、内臓を圧迫され押し広げられる痛みに眉がきつくよる。
 処女膜を貫かれ、破瓜の血が太ももを伝っていくのを感じた。
 それでも甘い口付けで力が抜けきっていたせいか、覚悟していた程の苦痛は感じなかった。
 それよりも、優しく抱きしめられ、宥めるように背中や髪を撫でられて、脳髄が幸せに痺れていく。

 これが強いられた行為だというのを、危うく忘れそうになる。


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