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氷炎の舞踏曲
【ファンタジー 官能小説】

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囚われの一夜目目についての記述。-3

 これを、ヘルマン自身の望でしてくれたのだったら、どんなに嬉しかった事か……。
 快楽と悲しみの涙が滲んだ瞳で、ヘルマンをぼんやり見上げた。
「あ……っ!?」
 突然、抱きしめられた。そのままシーツに押したおされ、また唇を塞がれた。
 先ほどの、教え込むような優しいものでなく、貪るような激しい口付けに、息も絶え絶えになるまで翻弄される。
「んっ!……んんっ!ふ、う……ん!」
「サーフィ……。」
 離れた唇から、低く掠れた声で、名前を呼ばれた。
 驚いて、組み伏せられたまま、ヘルマンを見上げる。
 いつもにこやかで、それでいて謎めいた飄々とした態度を崩さない人だ。
 この人でも、情事の時にはこんな顔をするのだろうか……と、驚く。
 魅力的なくせに、近づきすぎる者は凍てつかせ拒んでいたアイスブルーの瞳は、いまやサーフィをどこまでも吸いつけて離さない。
 並の女性では太刀打ちできないほど美貌の青年は、愛しくてたまらないというように、優しい顔でサーフィを見つめていた。

 しかし、はっと我に返ったように、ヘルマンは、また人を食った笑みを取り戻す。
「……艶のある表情で誘うコツは、十分心得ているようですから、教える必要はありませんね。」
 囁かれた吐息が耳に当たり、敏感になり始めた体が、うち奮える。
「才能、ありますよ。」
「そんっ……な……!」
 抗議は無視され、背中に回った手が、器用にボタンを次々に外していく。
 コルセットもはぎとられ、ミルク色の大きな乳房があらわになる。
 薄桃色に色づいている先端を指で軽く弾かると、心臓を掴まれるような、せつない刺激が走った。
「きゃっ」
「そんなに脅えなくても良いですよ。初めてなのですから、うんと優しくします。」
 美しく残忍な笑顔なのに、どこか悲しい色を帯びているように感じた。
 乳房を下から掬い上げるようにして愛撫され、首筋に唇をよせられる。
「っぁ!」
 彼の唇はそのまま首筋を下に流れて鎖骨をなぞる。
 胸を弄ぶ手も休むことなく、時折指で乳首をかすめながら、絶妙な愛撫を繰り返す。
「やっ!ぁっ!あ!」
 ビクビクと、そのたびに意志とは関係なく、身体が跳ねる。
 甘い毒のような鮮烈な刺激に耐えるのに精一杯で、抵抗する余裕など、すでに欠片もない。
「身体の仕組みは知っていますから、性感を与えるのは簡単ですが……それにしても君は感じやすいですね。」
 からかうようなセリフと共に、鎖骨に軽く歯を立てられた。
「や、ん!」
「声も可愛いですし、申し分ありません。」
 スカートの裾に手が伸び、スルリと差し込まれた指が、下着の中までなんなく侵入する。
「や……!」
 誰にも触れられた事のない足奥のスリットを、しなやかな指がなぞる。
「あっ!」
 ちゅぷん。蜜壷に指が埋まる。
「もう濡れていますよ。」
 指を軽く動かすたびに、くちゅくちゅという淫らな水音がして、言わなくともわかるのに、わざわざはっきり口にして、羞恥を煽る。
「っ!!」
 眼を瞑って首を横に振った。
 両手でシーツをきつく握り締め、必死で辱めに耐える。
 まだ一本差し入れられただけで、ごく浅い部分でかき回されているだけだったが、始めて体内に他人を受け入れるのは、相当な違和感がある。
 しかもその違和感は、決して嫌悪を呼び覚ますものではなく、むしろ誘惑的な痺れになって、腰をなんなくねじ伏せる。
 そのうえ身体中に飛び火して、屈服させようと攻め立ててくる。
「は……あ……あ……」
 たとえ相手が想い焦がれ続けてきた相手とはいえ、あんな酷い裏切りを受け……しかも初めてなのに。
 こんな反応を見せてしまうと、自分がとても淫猥な存在になってしまった気がした。
 恥ずかしくてたまらない。
 なんとか力の入らない足を閉じようとしたが、サーフィの両足の間に、ヘルマンは自分の身体を挟み込んで、それを阻害する。
 それどころか、片手でサーフィの膝裏を掴んで、右足をグイと頭の方へとおしやった。
「なっ!!」
 身体は柔らかいほうだったから、腿が胸に押し付けられるほどあげられても、苦痛にはならなかったが、問題はそんな事ではない。
 上下に広がられたせいで邪魔なスカートまで避けられてしまい、秘められた下肢の付け根が大きく晒されてしまう。
 あられもない姿に、更に羞恥を煽られる。サーフィの全身が赤く染まる。
「や!恥ずかし……」
「恥じる事はありませんよ。とても綺麗です。」
 蜜壷に埋めていた指が、今度は花弁をゆるやかに弄び始める。
「ああっ!」
 頭に白い快楽の霧がかかり始め、思考能力を奪っていく。
 丁寧に、繊細なガラス細工でも扱うように、彼の指が花弁を挟んでねぶり、すりあげ、追い詰めていく。
「ひゃんっ!あっ!やっ!!ヤ……ですぅっ!!」
「こんなに喜んでいるのに?君はいつから、そんな天邪鬼になったのですか?」
 豊かな胸に顔を寄せ、乳首に息を吹きかけながら、おかしそうにヘルマンが尋ねる。
 生ぬるい舌で、乳首を舐め上げられた。
「ふああっ!」
 大きく喉を仰け反らせて、サーフィは喘ぐ。
「口よりも、身体のほうがよほど素直で正直ですね。とろとろに蕩けて、いくらでも溢れてくる。」
 わざと音を立てるように、指を大きくかき回された。
「んっ!あっ!ああ!!」
 さらに、ぷっくり紅く色づいていた種を、開いている指の腹で柔らかく刺激される。
「ああああっ!!」


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